社会も音読

『絶対評価で変わる学級づくり授業づくり』の原稿の中で、社会について、私は10ページ分書くことになっています。
 1ページが19字×25行の3段組ですから、19×25×3×10で14250字書くわけです。400字詰めの原稿用紙に換算すると、約36枚分になります。
 この日刊考現学は36×19ですから1ページ684字。考現学のページ数に換算すると、14250字は考現学21ページ分です。量だけなら、驚くほどでもないというわけです。
こんなことを書いていても、一つも原稿の足しにはならないので、最近の社会の授業をしていて気付いたこと・分かったこと・思ったことを書いてみます。

①とにかく教科書を読ませる。

 6年の社会の上の教科書は、日本史です。とにかく漢字がいっぱい出てきます。 国語1ページに出てくる漢字数が74字だとすると、社会の場合152字です。(無作為に選んで較べてみました。)
 社会の方が、国語よりも約2倍多く漢字を使っているのです。
 これは困ったことではなくて、実にラッキーなことです。
 なぜなら、社会の教科書を子どもがスラスラ読めるようになれば、国語の教科書なんて楽勝で読めます。もっと読む力がつけば、新聞さえスラスラ読めるようになります。
 だから、私は当然、社会でも、連れ読みをさせ、一人読みをさせます。
 緊張感を与えるため、句読点交代で読ませることもあります。
『読めなかったら立っておきなさい。』
と、言うのです。(句点交代ではなく、句読点交代なのは、なるべく多くの子に読ませるためです。「そして、」なんて所が当たった子はラッキーなのです。)
 だいたい、いつものパターンは次のようになるわけです。

連れ読み→立って一人読み→句読点交代読み

 たまに変化をつけます。
『読めない字は飛ばしていいですから、読んでごらん。』
と言って、いきなり「立って一人読み」をさせる場合もあります。この方法は、自分の読めない字を意識するので、次の連れ読みの時に集中して聞きます。
「となりの人と1文交代」で読ませる時もあります。
 とにかく教科書を読ませることで、音読の力もつくし、社会の成績もあがるのです。

(2001.10.27)

 社会の続きです。

②テスト前にノートまとめをする。

と書きながら、最近、ノートまとめをさせていません。
 理由は、いくつかあります。
 まず、時間がかかる、ということです。いいノートまとめにしようと凝る子もいるので、学校で2時間とっても足りません。
 そのため、期限通りにノートが集まらず、1週間2週間とずれこむこともあるのです。
 次に、ノートまとめ大会をすると、だいたい選ばれる子が固定してしまうことです。まあ、これは仕方のないことなのかもしれません。ノートまとめに燃えてる子は、ここでがんばるのですから。
 その一方で、ノートまとめの手を抜き出す子も出てきます。
(凝りすぎるのも困るし、手を抜きすぎるのも困ります。)
 今、社会の進度は、とても遅れています。そろそろ、日本史も終わらないといけないのに、やっと開国したところです。ノートまとめしてる余裕がありません。

③テストに漢字点をつける。

 社会のテストには、漢字点をつけてます。
 人物名や事件名を漢字で、正しく書けたら「+5点」になるのです。
 点数の書き方は、右のようになります。 115
 右のでは、「+20」が漢字点です。  (95+20)
 なぜ、漢字点をつけるか、というと、できるだけ漢字で書けるようになってほしいからです。
 もし漢字点がなければ、子どもの多くは平気で「ひらがな」で書くでしょう。
 ここで気をつけないといけないのは、漢字がまちがっていても、○にするということです。(もちろん、漢字点は当たりません。)
 漢字ちがいで×になってしまっては、次からは無難に「ひらがな」で書こうとなってしまうからです。

④社会のテストは、とにかく暗記。

 5年までの社会のテストは、資料を見て答えるものが多いです。
 しかし、6年の社会のテストは、暗記をしていないと解けません。
 しかし、週3時間(来年度はもっと減ります)の社会の中で、暗記させていくのは難しいです。
 それに、教科書の書かれていることは、簡単な流れだけで、それだけでは人物名も事件名も子どもの中に残っていかないのです。
 6年の日本史は、通史ではなく、人物中心と言われています。
 でもそれなら、教科書が人物中心で大きく書き変わらなければ話になりません。 さて、そうはいってもテストはしないといけないので、いろいろ策をねります。
 テストに出てくる問題と、ほとんどそのままなぞったような社会科歴史用語まとめくん、みたいなプリントを出して、子どもにやらせます。
 テストに出てくる部分を私が言い、子どもには教科書に線を引かせます。
 一字読解のように、一問一答の問題を出すこともあります。
 昔は、マッキーノをしていました。あれは楽しいですが、時間がかかりすぎます。そういう時間があるなら、何度か教科書を読ませた方がいいのです。
 面倒ですが、歴史用語のフラッシュカードを作るといいかもしれません。
 松藤司先生の歴史カルタは、人物中心になっているので、このカルタで遊んでいると、結構人物名が覚えられて、いいかもしれません。
       ☆         ☆
 ここまでで使えるものとして、子どものノートのコピー。歴史用語まとめくんのプリント。歴史カルタの一部。などが揚げられます。

(2001.10.28)