教材研究の仕方を探る

 教材研究の仕方を意識しながら、授業を組み立てていきます。
 5年社会「自動車のゆくえを調べる」ところを教えます。
(1)教える範囲の教科書を読む。
 文章だけでなく、グラフや写真や図にも目を通します。ある程度の授業経験があれば、サッと目を通すだけで、どの資料を使えば、何を大事に教えればいいか、頭に引っかかってきます。
 私の場合、パッと見て、右上の棒グラフを使えばいいのでは、と感じました。
(2)何を教えるべきかをつかむ。
 教科書を読み、「日本の会社が外国に工場をつくり、そこでつくった自動車を、さまざまな国に販売することもふえてきています」というところが、一番教えるべきとこだな、と推察しました。2次的には、日本の自動車が海外に多く輸出されていること、そのとき、自動車専用の船で運ばれることぐらいです。
(3)どの資料を中心にすけて使うか決める。
 さきほどの資料で決まりです。
「このグラフを見て、気がついたこと・分かったこと・思ったこと、または、調 べたことを書きなさい。」
 最近の社会の授業では、調べたことを入れるようにしています。教科書や資料集を活用できる力をつけていきたいからです。
(4)資料から疑問点を見つける。

 前述の資料では、1990年から1995年にかけて、生産台数が急激に減っています。90年から95年の間に、何か国際的な何かがあったに違いありません。日米貿易摩擦だろうと推察はできます。昔、アメリカで、日本車をハンマーで壊すようなセレモニーもしていたような記憶もあります。生産台数・輸入台数が急激に減ったところを授業の転にしようと決めました。そのため、日本車をアメリカ人が壊している画像が、ほしいなと思いました。グーグルの画像検索をいろんな言葉でかけて、ついに2枚の写真を見つけました。(「日本車 ハンマー」でヒット)

 

 

 






 もう一つの疑問は、さきほどのグラフの生産台数の中に、現地生産が入るか、ということです。これは、インターネットで調べても、他の先生に聞いても、なかなか分かりませんでした。でも、教頭先生が、下記のグラフをインターネットから見つけてくれました。

 このグラフを見ると、現地生産と国内生産は、別だということが分かります。
でも資料集をよく見ると、答えを導き出すヒントはあったのです。それが、右のグラフです。現地生産台数が増えているのに生産台数が増えていないということは、別だということです。

(5)クラスの実態に合わせて授業を組み立てる。
 導入はクラスの実態に合わせます。いきなりグラフから気がついたことでは、やる気を失うようであれば、そこに至るまでの前振りを入れます。
 5年で教えるクラスは、集中力の欠けるクラスですので、地図帳調べを導入にいれました。
 資料集に右のように太平洋ベルトがのっています。自動車工場は、積み出し港の近くにあるということが分かります。でも、なぜ、田原港だけが書かれているのでしょう。

 

 

 その理由が、左の写真です。1で田原港の写真を使っているので、太平洋ベルトに田原港が書き込まれているのです。
となると、地図帳調べでは、田原港のある「田原」を調べさせることになります。
 地図帳P.33~34です。
 それらのページから、あと2つ、調べさせたい地名を選んでおきました。
「鈴鹿サーキット」と「まつたけ(絵)」に決めました。

(2007.10.30)