可採年数とは?

「可採年数」の意味が、やっと分かりました。
 現在、石油の可採年数は、43年です。
 たしか4,5年前、聞いた時は、40年だったような気がします。
 ここで問題です。

 今から約10年前の1985年の石油の可採年数は、何年だったでしょうか。

 普通に考えると、40年よりちょっと上ぐらいを予想するでしょうね。
 正解は、36年です。
 WORLD OIL & GAS JOURNALによると、次のようになっています。

1932年 19年  1940年 19年  1945年 25年  1955年 33年
1965年 33年  1973年 30年  1985年 36年  2000年 40年

 可採年数が19年だった年もあるわけです。
 1932年の時は、19年が可採年数でした。そうすると、1951年には、石油がなくなっている、ということです。これは、どういうことでしょうか。

 この可採年数とは、ある年末の原油の確認埋蔵量を、その年に生産された原油生産量で割った数字で、この埋蔵量であと何年、生産を続けられるかを見る目安です。
(中略:荒井)
 また原油価格が安い時期は、炭鉱活動をするうえで採算性が悪いので、活動は不活発になって埋蔵量は増えず、他方で、安いために石油消費量は伸びますから、可採年数は小さくなってゆきます。
 反対に、原油価格が高い時期になると、採算性が出て炭鉱活動が活発になって埋蔵量が増え易くなり、他方で石油消費は小さくなるので、可採年数は大きくなります。
 このように可採年数は、原油価格の水準で絶えず変化しますから、注意して使わなければならないのです。
                                  田中紀夫『エネルギー環境史Ⅲ』(ERC出版)P.179

 可採年数を提示して、「このままでは大変だ」という形式の授業は、今ひとつ信憑性にうすい、ということです。
 だからといって、石油資源が無尽蔵にある、というわけでもありません。
 また、石油を使うことは、地球温暖化の原因にもなりますからね。

(2004.10.13)