自動車社会の功罪

 はやしメーリングリストで、岩井さん宛に返信したメールを転載します。

授業の流れを見ました。結局は、何を教えたいのですか。
自動車社会が幸せか不幸せかを討論させたいだけのような授業にも見えます。
自分なら、どう教えるか考えてみます。

1車があって、いいことは何ですか。
2車があって、わるいことは何ですか。
3自動車工場の人は何を一番に考えながら、作っているでしょうか。
4自動車工場の人たちがしている工夫を教科書や資料集から見つけなさい。
5(教師から、4の工夫をいくつか紹介)

追試実践では、3の発問が最初にあります。
でも3の発問は、自分以外の人の考えを想像するので、難しいです。
いいこと・わるいことを出させた後なら、1と2の答を元に、考えられると思います。
私の考えた授業のねらいは、「自動車工場の人たちの工夫に気づかせること」です。そこに気づかせることで、働く人が工夫しながら仕事をしていることにも、気づかせたいです。 2005/10/29 4:29

討論の授業をしたい、ということは、よく分かりました。

でも、発問3は、難しいような気がします。問いとして、前提条件が不十分なのです。

> 3.車が増えることは、私たちの社会にとって幸せですか。それとも不幸せですか。

・車が増えるというのは、どのぐらいの数が増えることを指しているのか。
・幸せ、とは何を持って幸せとするのか。

意見が本当に2つに分かれるのか、疑問です。
車がたんに増えることだけなら、不幸せな(?)社会になるでしょう。
車がなければ困ることもあるけれど、今以上に車が増えるのは問題。でも、自分が大人になったら、やっぱり車を買うかもしれない。というのがほとんどの子の考えにならないでしょうか。
車が増えることは幸せだ、と言い切れる子がいるとは思えないのですが。

私なら、ここで討論をさせませんが、岩井さんは討論の授業をされたいようなので、討論用の発問を代案として出させていただきます。

「車の生産台数は、これから、増えていきますか、減っていきますか。」
【増えていく派】
・グラフを見ると、生産台数は、右肩上がりに増えていってるから。
・若い人が大人になって、車を買うから。
・環境にやさしい車が開発されて、生産台数が増えるから。
・生産台数を増やさないと、自動車会社がつぶれるから。
【減っていく派】
・このままでは、地球温暖化の問題が大変なことになってしまうから。
・ガソリン代も値上がりしているので、車に乗る人が減っていく。
・法律ができて、車台数が規制されるようになっていく。2005/10/29 19:36

 改めて人から問われることで、私が授業について、どう考えているかが見えてきます。やっぱり授業を考えるのは、楽しいです。

(2005.10.29)