鏡と影の学習

 3年理科の研究授業を観に行ってきました。
「かげのでき方と太陽の光」の学習です。幸い、太陽の照るいい天気でした。
 鏡遊びや影遊びをしながら、気がついたこと・不思議に思ったこと・やってみたいことなどを小さな画用紙に書いていきます。
 マルチ発問を使った展開といえます。
 でも授業を見ていて、マルチ発問も場を限定して使わないと効果がないな、ということに気付きました。
 鏡のこと・影のこと、いろいろな発見が出るけれど、それを発表するわけでなく、黒板に貼っていくだけ。見たい人が見に行くだけ。へたをすると、何も発見できず、人からも学ばない子が出る可能性もあるわけです。
 また、仮に発表したとしても、様々なことがバラバラに出されるので、そこから学ぶのも難しいかもしれません。
 後半、影踏み遊びをしました。そして、この遊びを通して気付いたことを書くのですが、こういう限定の仕方はいいなぁ、と思いました。
 ただ、そこに、ねらいに迫るような発問がないため、何を学んだかが分からないまま、授業が終わってしまったのです。ここから、次時の学習につながっていくのでしょうが、やはり授業という以上、その時間において、みなが共通に学んだことがなくてはいけません。
 私なら、鏡を使わせる時は、丸い鏡だけを使わせて、次の発問をします。
「丸い鏡で光を反射させて、気がついたことを見つけましょう。」
 そして、発表させていきます。
 次に、セレクト発問を出します。
「四角い鏡で光を反射させると、どんな形で映るでしょうか。」
 四角い鏡だから四角と考える子と、太陽の光を反射しているのだから丸い形と考える子で意見が分かれるでしょう。
 そして、四角い鏡を使わせてみるのです。(研究授業では、両方の形の鏡を使わせていました。)
 影踏み遊びの場合は、最初は同じ発問を出します。
「影踏み遊びをして気がついたことを発表しましょう。」
 次にセレクト発問です。
「影踏み遊びでは、鬼と逃げる子ではどちらが得(有利)ですか。」
 これは鬼をやった子、逃げる子をやった子で意見が違ってくるでしょう。
「影のできる方向に逃げればいいから逃げる子が得。」
「影のできる方向から追いかければいいから鬼が得。」
 その理由を通して、影ができる性質みたいなものを学んでいけるはずです。
 今日、『2つの発問で組み立てる授業』が出来上がりました。(嬉しい。)

(2006.10.12)