Googleの画像検索で「お巡りさん 交通整理」で検索する中で、面白い記事を見つけました。2008年3月8日の読売新聞の記事です。
マーチに乗って交通整理 船津警部(西署)が定年退職
2年半、「交通事故ゼロの日」に欠かさず1時間
交通警察を中心に41年間。事故防止を願い勤め続けた西署交通課長代理の船津幸照警部(60)が、今年度いっぱいで定年退職する。2年半前からは「交通事故ゼロの日」に欠かさず1時間、交差点に立って交通整理を続けてきた。その姿が見られるのも、10日が最後だ。
その姿がユニークだ。通勤ラッシュの午前8時。名古屋市西区、押切交差点の中央分離帯で、腰の左右にぶら下げたスピーカーから軽快なマーチを流し、のぼり片手に交通整理をしているのが船津さんだ。
親指と人さし指を広げて「車間を空けて」。肩から斜めに手を振り下ろし「シートベルトして」。休む間もなく体を動かす。青信号が点滅しているのに、子供を乗せた自転車で横断しようとする女性を、ピーッと笛を吹き、のぼりを横にしてストップさせた。「ごめんね。急いでるところ。子供と一緒にルールを守ってね」。物腰はアナウンサーのように柔らかだ。
4年前、当時勤めていた緑区内の交差点で、信号無視をした乗用車とバイクが衝突。バイクに乗っていた18歳の男性が即死した事故が忘れられない。日に日にしょうすいした母親は、毎日のように緑署を訪れ、相手の極刑を求めた。「息子を返して」
「一つでも事故を減らしたい」。警部になり、自分の裁量で動けるようになった2年半前から、平日の交通事故ゼロの日の午前8時から9時まで、一人で中央分離帯に立った。
どうせやるなら注目されないと効果がない。音楽を流すことを思い付き、人がわくわくする「マーチ」を流すことに。60分テープの編集も自分でした。船津さんが立つ時間、事故は1度も起こっていない。
交通整理をするお巡りさんの画像を探す中で、この記事を見つけたのです。これこそが、調べ学習の恩恵かもしれません。ある目的で調べる中で、別の興味ある事実を知っていくのです。
参観の授業の最後に、この記事を紹介しようと考えています。
道路標識とお巡りさん、どちらが交通ルールを守らせるのにすぐれた働きをしているかの結論は、簡単には出せません。
でも、こんなお巡りさんばかりなら、世の中の交通事故はずいぶん減るかもしれません。最後は、人の思いや努力が幸せをもたらすのです。
でも現実的に、船津警部のような人は、まれです。
物言わぬ道路標識もやはり必要なのです。
(2008.10.19)