アドラー心理学について

 このところ、アドラー心理学関係の本を続けて読んでいます。
 本を読み返さないで、学んだことを書いてみます。

 ① 人は目的があって行動する。
 子どもが問題行動を起こしたとき、多くの場合、「なぜそんなことをしたんだろう。」と、原因を考えます。
 これはフロイトやユング的な心理学なのです。
 アドラー心理学では、「その行動によって、あの子はどんな目的を成し遂げたのか。」と、目的を考えます。
 例えば、授業中に急に立ち上がり、大きな声で叫んだ場合、「なぜそうしたか。」を考えるのではなく、「何のためにそうしたか。」を考えるのです。
 前例の場合、いくつかの目的を考えることができます。
 (1) 先生やクラスメートの注目をあびたかった。
 (2) 授業を中断し、勉強しない瞬間を作りたかった。
 (3) 眠気をさましたかった。
 (4) その他
 多くの場合、子ども自身が自分の目的を意識していないことが多いようです。
では、担任ならば、どう対処すればいいのか。
 もし、その行動が注目を目的としてるなら、その子に注意することはその子の行動の目的を達成させていることになります。それゆえ、その子は注目を集めたいときは、同じ行動(急に立ち上がり大きな声で叫ぶ)を取るようになるわけです。
 行動心理学ではこれを強化といいました。
 ならば、担任はその子の問題行動には、軽く注目するのみにし、それ以外の場面で、その子に注目してあげることが必要になってきます。

 ② 評価を受けない貢献活動が集団内での所属感を高める。
 集団に対する貢献。例えば、職員室の掃除。なるべく先生方のいない時間に掃除をし、感謝の言葉をなるべくもらわないようにする。
 そうすることで、集団内での所属感がたかまると、アドラー心理学ではいっています。
「自分が誰かの役に立っている」という実感を他者からの評価ではなく、自分で感じることが大切なのです。
 もし評価を期待して掃除(貢献)をした場合、評価のあるなしで自分の行動が左右されてしまうことになります。それは、人に支配されている生き方なのです。
 以前、サッカー選手が「人のためになることを人の見えないところでやることで、いいプレイができる。」と、言っていました。
 それを残心ともいったように思います。
(何も見ないでも結構、書けるものです。)

(2014.12.21)