大阪人はなぜ左側通行するのか

 エスカレーターを歩くとき、東京の場合、右側通行で歩きます。立ち止まっている人は、左側に寄って立っています。一方、大阪の場合、左側通行で歩きます。立ち止まっている人は、右側に寄って立っています。
 道を歩いていても、大阪の人はたいてい左側通行です。
「歩行者は右側通行。」が基本なのでしょうが、どうしても左側を歩いてしまいます。
 一度、職員会議で、「廊下は左側通行にしたらどうでしょうか」と言ったことがあります。全く取り上げてもらえませんでしたが。
 松藤司『先生も生徒も驚く日本の「伝統・文化」再発見』(2012.8学芸みらい社)のあるページを読んで、ようやく、東京と大阪の通行の違いの秘密が分かってきました。(あくまで推測ですが。)

 裏通りや路地で人とすれ違うときには、お互いが右肩を引いて体を斜めにして通りました。これを「肩ひき」といいました。当時は左側通行だったので、お互いが右肩を引けば自然と体が当たらなかったのです。歩行者が右側を歩くように決められたのは、一九四九(昭和二四)年GHQ(連合国軍総司令部)の指導により道路交通法で改正されてからです。

 昔は左側通行が当たり前なのです。東京から遠い大阪ではそれが残ったのです。

(2012.12.13)