「Out of Sight」というアニメーションがYouTubeにアップされています。
台湾芸術大学の学生3人が卒業制作として作ったものです。
「R25」というフリーマガジンに紹介されていました。
盲目の少女が世界と触れ合う!
これは台湾で作られたアニメ。盲目の少女が犬とはぐれ、いろいろなものと触れ合うことで世界を発見していく。…これ、ものすごいです!匂いや音と触れ合うことで「世界が生まれていく」表現が見事!観た後は、優しい気持ちに包まれることでしょう。明日から、誠意をもって生きたくなります!
5分28秒のアニメです。もう5回以上は観ました。
観る度に、発見があります。
例えば、最初に拾った木の枝。あの木の枝が魔法ステッキに変わります。
これは、木の枝によって物に触れることで、その物が何か分かるからです。
最後の方で、鯨が空を飛んでいます。盲目だからこそ、飛行機の音から、鯨が飛んでる様子を想像できたりするのです。
サークルの例会でも、このアニメを観てもらいました。
最初は、女の子が盲目だということが分からなかったようです。
でも、最初から女の子は点字ブロックの上を歩いているのでした。
(2011.12.17)
「Out of Sight」を明日の道徳の時間に、子どもたちに観せようと思います。
それも2回観せようと思うのです。
1回目は、「台湾で作られた5分28秒のアニメーションです。」と言って、とにかく観せるだけです。
鑑賞後にノートを配り、気付いたこと・思ったことを書かせて、発表させます。
その中で、女の中が全盲であることを言う子がいるでしょう。
このアニメは、2010年7月31日にYouTubeに公開され、わずか2カ月で10万回以上再生され、すごく話題になっていることを伝えます。
この後、今度は、観ながら気付いたこと・思ったことを書かせていきます。
このアニメを絶賛してるホームページの中に、アニメの場面をいくつも画像としてあげてるものがあるので、それを見せながら、
「この場面での気付きを発表できる人?」
と言って、発表させていくつもりです。
短いアニメのシーンシーンに込められている深い意味に気付くことは、国語の読み取りに通じるところがあるでしょう。
例えば、板塀の向こうの真っ暗は、本当に暗いのではなく、女の子の視点から見ていることに気付けるはずです。明日の授業が楽しみです。
(2011.12.18)
「Out of Sight」を子どもたちにみせました。
シーンとなってみてました。ビデオが終わったあと、
「今、何も言ってはいけません。どのくらいの人が気付いたかを知りたいのです。」
この後に、ノートを配り、気付きや思ったことを書かせて、指名なしで発表させました。
「女の子は目が見えない。」「途中から魔法使いになっている。」
「女の子がいろいろなことを想像している。」
女の子の目が見えないことを多くの子は気付いていました。
「どこで気付きましたか。」
板塀にぶつかったところで気付いた子がほとんどでした。
2回目、映像をみせてから、気付きを書かせ、最初の場面の絵を見せました。
「点字ブロックがある。」
制作者は、最初から女の子が目が見えないことを暗示しているのです。
「女の子が連れている犬は、盲導犬。」という意見も出たので、この犬が盲導犬かどうかも話し合いました。「飼い主を置いて、ドロボウを追いかけたから違う」という意見に同感です。
「目が見えないからこそ、楽しい想像ができる」という主題も検討しました。
(2011.12.19)
子どものノートの気付きをピックアップします。
・女の子はドロボウにかばんをとられたのをわかってない。
・人のかおりを花としてあらわしている。
・女の子があると思ったら物がでてくる。
・黄色の点字ブロックの上をずっと歩いていた。
・においでパン屋さんときがついた。
・鼻や耳がぎんかん。
・女の子に音が聞こえるとどんな物があるかが分かる。
・想像で思っている車の道路には水がある。それに車が魚の形で、バスを待っている人は、動物。
・工事しているところが鳥
・犬のココはもうどう犬みたいだけど、かいぬしをすっぽかしてかばんをとりにいっているから、もうどう犬じゃないと思った。
・木のえだで何があるかを確かめている。
・初めて来た場所なので想像しかできなかった。
・ずっと犬の名前をよんでいる。
・鳴き声でねこと分かった。
・棒でたたいたら家や店が出てきた。
・女の子のひろった木が魔法のステッキになった。
次のは、主題について書かれているものです。
・目が見えないぶん、そうぞうしながら町をあるく。
・目が見えなくてもいいことはある。
・目が見えなくても不幸ではありません。
・目が見えない人は想像が豊か
・目の見えない人にとっては周りのにおいや音でゆかいな想像ができる。
・目のみえない子はみんな不幸ではなく幸せがある。
・目が見えない子は、いつも大冒険で、いろんなことを想像しながら道を歩いているということ。
・想像の力は何でもできるからすごいものということ。
いつもは学習になかなかついていけない子も、気付きをノート1ページ分、書いていました。
子どもたちが、アニメを見慣れているから、そこから気付きを書くことが容易なのかもしれません。それでも、やはり、このアニメーションの力が大きいと私は思っています。
この授業は、違うクラスをもってもやってみたいと思いました。
短い映像を2回みせるパターンが、よさそうです。
(2011.12.20)