小学生日常行動規範

 TOSSランドで「道徳」の「社会規範」の項目をクリックして出てきたタイトルの中に、中国「小学生日常行動規範」というのがあった。

(国家教育委員会1991年8月公布)
1、国旗と国章を尊敬し、国歌を歌えること。国旗を掲揚し、国歌を演奏する時は、恭しく起立し、帽子を脱ぎ、儀式に注目し、まず隊員が隊礼を行うこと。
2、老人を敬い幼い者を愛し、同級生と仲良くし、人を平等に扱うこと。自発的に困っている人や障害者を助けること。他人の民族習慣は尊重しなければならない。
3、教師を尊敬し、顔を合わせたらお辞儀をし、自分から挨拶をすること。尊称を用いなければならず、名前を呼び捨てにしてはいけない。

  この行動規範は20ヶ条ある。これら全てができる児童がいるとは思えないが、こういう規範を日本では公には示していない。「挨拶しよう」とか「廊下は走らない」という生活指導はあるが、「教師を尊敬し、顔を合わせたらお辞儀をし、自分から挨拶すること。」なんて、自分から言っている教師はほとんどいないであろう。

4、父母を尊敬し、親孝行をし、父母の身体の健康に関心を持ち、自発的に父母の手伝いをすること。父母や目上の人の正しい指導に従い、外出する時や帰宅した時には挨拶をすること。
5、人に礼儀正しくすること。教養のある話をし、標準語を話し、礼儀正しい言葉を使えること。他人の部屋に来たら、まずドアをノックしなければならず、許しを得てから入ること。他人の仕事、勉強や休息を邪魔してはならない。喧嘩をしたり、人を罵ってはいけない。
6、外国人には礼儀正しくし、心温かく気前よく接し、取り囲んで眺めたり、後をくっついて行ったりしないこと。

  全てはできないことは分かっていたとしても、国として、子どもたちに守ってもらいたいことを示す、というのは必要かもしれない。それをしないのには、色々な理由があるだろう。大人自身がそれをできていない、ということもあるかもしれない。

11、授業の前には勉強道具をちゃんと準備しておくこと。授業中は先生の言うことを集中して聞き、積極的に発言し、分からなかったら質問し、発言する時はまず手を挙げ、はっきりした声で問題に答えること。授業の間の休み時間は有益な遊びをすること。
12、授業の後は、真面目に復習し、時間通りに宿題を行い、きちんと整った字を書き、答案用紙はきれいに扱い、一人でやり遂げること。試験の時はカンニングをしてはいけない。

 行動規範を出しさえすれば、それで、子どもたちがよりよくなると考えるのは浅慮といえよう。だからといって、出さない方がいいとも思えないのだ。

(2009.11.14)