野村進『千年、働いてきました~老舗企業大国ニッポン~』(角川2006.11)の中に、自動車の関連工場の一つが紹介されていました。
静岡の村上開明堂。明治15年(1882年)ブリキ細工の製造販売店として開業。
明治30年から鏡の製造。鏡台を作る。(全国の6割)
昭和30年代、トヨタから「バックミラー用の鏡を2500枚ほしい」と依頼される。
昭和41年、バックミラーの断面を三角形に削り、まぶしさを和らげる。
現在、後続車のヘッドライトの光を、バックミラーに内蔵されたセンサーが感知すると、自動的にミラーが青色に変色してゆき、まぶしさを抑える。
そのほか、雨の時のため、水滴を平らにするような機能がある膜で、ガラスの表面を覆い、さらにその内側に、汚れを分解して取り除く別の膜を組み込んだ。
全国のバックミラーの約4割を製造している。
トヨタの平均年収は約800万円です。関連工場の平均年収は、約400万円。自動車工場の約半分です。
ただ関連工場でも、企業努力をし、技術水準が高いところは、業績も高く、高収入が得られます。
むしろ、関連工場の水準が高いからこそ、日本の自動車の水準も高いといえるかもしれません。
(2009.12.1)