日本辺境論

「内田樹」。読めますか。
 最初、「うちだいつき」だと思い、図書館で著者名検索したが出てきません。
「うちだたつる」が正解です。
 内田樹『日本辺境論』(新潮社2009.11)を買いました。
 というのも、内田樹氏が、来年の学力研全国大会の記念講師をされるからです。 著作としては、『下流志向』が有名です。『街角の教育論』も出されています。

「何が正しいのか」を論理的に判断することよりも、「誰と親しくすればいいのか」を見きわめることに専ら知的資源が供給されるということです。自分自身が正しい判断を下すことよりも、「正しい判断を下すはずの人」を探り当て、その「身近」にあることの方を優先するということです。(P.44)

 これが日本人の性向だと、内田氏は指摘します。「和を以て貴しとなす」です。 自分の考えよりも、周りはどうなのかで、自分の行動を決めていくわけです。「なるほど、そうかもな。」
と納得できるだけに、怖いといえます。

戦争を肯定する誰もが「私たちは戦争以外の選択肢がないところまで追い詰められた」という受動態の構文でしか戦争について語らない。
(P.56)

 要は、周りの空気に流されたということなのです。

(2009.12.8)