少年院勤務の精神臨床師・岡田尊司氏が書いた『脳内汚染』(文藝春秋2005.12.15)は、衝撃的な本です。
テレビゲームの影響により、残忍な犯行をする少年たちの事実がありありと書かれています。岡田氏は次のように言われています。
子どもにLSDやマリファナをクリスマス・プレゼントとして贈る親はいないだろう。だが、多くの親たちは、その危険性について正しく知らされずに、愛するわが子に、同じくらいか、それ以上に危険かもしれない麻薬的な作用をもつ「映像ドラッグ」をプレゼントしていたのかもしれない。(p.90)
銃で人やゾンビを撃つゲームがあります。あれは、戦争のシミュレーターと同じです。戦場に出る多くの兵士は、最初の実戦で人を撃つことができないそうです。それを撃てるようにするために、人型の的が作られ、やがてリアルなシミュレーターが考えられました。
日本がもし銃社会であれば、アメリカで起こっているような少年による銃犯罪が起こっていたことでしょう。銃を持ち、平然と人を撃つ、そんな少年たちが、テレビゲームによって作られているのです。
(2006.12.2)