環境問題に取り組む銀行

 銀行が環境問題に取り組んでいるとは、意外でした。
 最新環境教育授業テキスト「環境問題に取り組む日本の銀行」による問題を抜き書きしてみます。

【問題1】銀行はどんな仕事をしているのでしょうか。

 大きく分けて2つです。お金を預かる仕事とお金を貸し出す仕事です。

【問題2】銀行はどのようにして利益を得ているのでしょうか。

 ここは解説を引用します。

「銀行は預かったお金を、お金が必要な会社や人に貸し出します。銀行は、貸したお金に利息をつけて返してもらいます。みんなから預かったお金(預金)には利息をつけて返します。この利息の差が、銀行の利益になります。」

 銀行にお金を預ける人がいるから、銀行は貸し出すことができるわけです。アイフルとかのローン会社は、お金を預かることはしません。ローン会社は元手がないとできない仕事ということです。
 次に、2台の車が登場します。
 1台が時速200kmまで出せるスポーツカー(A)、もう1台が時速150kmまで出せるエコカー。銀行からお金を300万円借りたとき、Aの利息は36万円、Bの利息は31万円となります。

【問題3】 どちらも、銀行から借りるお金は300万円です。なぜ、Bの車を買うほうが、Aの車を買うよりも利息が少なくなっているのでしょうか。

 環境に配慮した車を買う人には、利息を安くしているわけです。
 銀行が会社に融資するときも、同じことをしているそうです。
 環境に配慮した取り組みをしている会社には少なめの利息で融資し、配慮していない会社には普通に融資するわけです。
 会社の方も、利息を少なくしてもらえるメリットのために、環境に配慮しようと考えるわけです。
 一見、環境問題と全く関係のなさそうな銀行でさえ、環境問題に貢献しているのですから、我々教師も、もっともっと環境問題を授業に取り上げ、子どもを通した貢献をしていくべきだと思います。
 銀行をはじめ、いろんな企業が環境問題を解決するために、知力を絞っている。そのことを子どもに伝える。きっとそのことで、将来、環境問題の解決のために努力してみよう、と思う子どもを育てることになるかもしれません。
 自分の糧を得るためだけでなく、社会全体に貢献していく、ということも働く上でのいきがいになる場合もあります。
 自分のためだけに生きる人生は、欲の道です。得か損かの世界です。それは弱肉強食の世界だと思います。自分も社会も大切にすることを学ばせていきたいものです。

(2006.12.3)