5個と25個でつり合う

 前ページの実験をもう少し詳しく書きます。
 各班に、実験用てこと、おもりを5個渡しました。
 最初は、左のうでの距離2のところに、重りを2個つるさせました。
 そして、右のうでの距離1~距離5まで、指で押さえて水平にするように指示したのです。
 重りは1個20gなのですが、子どもには10gと言っています。
 計算しやすさから考えて10gの方がいいからです。(嘘も大事です。)
 距離2のところに重りを2個だから、20g×2で、左のうでには40gの力がかかっていることになります。
 右のうでの距離1に指を置いて水平にすれば40gの力がかかり、距離5のところに指を置けば8gの力しかかからないわけです。
 支点から遠くなるほど指にかかる力が弱くなることに、気付けるはずです。
 全員がしたら、重りの数や位置を変えていいことにしました。
 さらに、途中で、きょり5のところに重りを5個つるしてやりなさい。
 こうすると右の距離5で50g。距離1なら250gの力がいることになります。 この後、片付ける時に、重りを5個つるして持ってこさせました。
 各班の実験道具の片付けが終わった後、気付いたことを数名発表させ、
「支点から遠くなるほど軽くなる」を板書し、写させます。
 そのあとに、演示実験をしました。
 さきほどの実験です。
 左のうでの距離5におもりを5個つるすのです。
 左のうでにかかる力を子どもたちに計算で言わせました。
「50×5=250。」
 右のうでの距離1には、何個の重りをつるせばいいか、聞きました。
「25個。」
「では、やってみましょう。」
 先ほど、各班に返させた5個ずつつなげた重りを距離1につるしていきます。
 5個、10個…。当然、重りはテーブルについてしまうので、実験用てこを空中に持ち上げておきます。
 15個、20個…
「25個で、つりあうと思う人?」
 全員の手はあがりません。
 25個。
 見事、つながりました。
「計算通りいくのが、科学の面白いところです。」
 理屈では分かっていても、目の当たりにすると、感動ですね。

(2005.11.25)