「人間の脳のプログラムはアウトプットでしか書き換わらない」ということが、後藤芳徳『社長のための人材錬金術 ダメな奴でも「たたいて」使え~ゴトー式人の使い方活かし方』(フォレスト出版2005.10.5)に書いてありました。
上記の本を買ったのは、本の帯の表現に惹かれたからです。
「こいつはダメだ…」と思った時に読む本
コーチングだけでは変わらない!
×まかせれば育つ?
×やりたい仕事をすれば結果が出る?
×ほめて、叱って、励ましてヤル気を出す?
使えないヤツがバリバリ働くようになる!
一番惹かれた言葉は「コーチングだけでは変わらない」というものです。
教師として子どもに指導をしていくのですが、指導だけでは変わらない子どもがいます。こちらの技術や熱意が足らないせいもあるのでしょうが、普通の指導では、その子をよい方に変えることができない、そういう時があるのです。
私は、教育に役立てるため、よくビジネス書を買います。
なぜか、といえば、ビジネスの世界の方が、教師の世界よりシビアだからです。
何より結果が最重要視されます。
過程がよければ、結果はどうでもいい、なんて甘いことは言えません。
失敗すれば、失業・倒産、という厳しい現実が待っています。
経営者であれば、雇った人間にだまされる、ということもあります。
慈善事業をしているわけではないので、役に立たない社員を何とかしないと、赤字を作りながら給料を払っているようなことになります。
雇った社員をどう使い者になるようにしていくか、そこには、教育のエッセンスがつまっているに違いないのです。
後藤氏が「アウトプットで脳のプログラムが書き換わる」例として、子どもの勉強を取り上げています。
算数が苦手で、勉強が大嫌いという子供がいたとします。
この子に勉強を自発的にやらせようとしても、なかなかやりませんよね。
僕だったら、泣こうがわめこうが強制的に勉強をさせます。
シゴキまくりです。
そして、この子に強制的に算数のトレーニングをして、テストで3回いい点数を取らせる。できれば100点を。そうなると、確実に変化が訪れます。
これまで、親がどんなにうるさく言っても全然勉強しなかった子が、自分からすすんで勉強するようになります。小学生ではほとんど例外はないですね。
1回なら本人もマグレだと思うかもしれません。
でも、2回、3回と回数を重ねるうちに、「今まではダメだと思っていたけれど、実は僕って結構できるヤツかもしれない」「次もいい点数を取りたい」と考えるようになります。
何よりも、3回も100点を取れば「あいつは頭のいい人間だ」と、クラスの中で思われるよういになります。
そして「頭がいい人」と周りから思われている状態を維持したくなります。
「俺は頭がいい」と思い込み、「俺は頭がいいと周りから思われている。そして、これからも頭がいいと思われ続けたい」と、ここまでいけば、晴れてプログラムは書き換わったと言って良いのではないでしょうか。(P.91,92)
長々と引用しましたが、確かに書かれている通りだと思います。
(長々と引用したのは、考現学に打つというアウトプットを通して、この事例を しっかり頭に刻み込みたかったからです。)
実際には、教師の立場として、1人の子を強制的に勉強させることはできません。ただ、100点を取らせる手立てを講じることは何とかできそうです。
成功体験をさせて、脳のプログラムを書き換えたいものです。
(2005.12.17)