「老いを生きる」の授業の組み立てについて、考えていることを書きます。
(1)ふりこ型にしたこと
ふりこ型というのは、岡山の甲本卓司先生が命名した授業の組み立てです。
ふりこが振れるように、授業を組み立てるのです。
例えば、凶悪犯罪が多発していることを提示したあと、ボランティアをする人々を紹介したりします。
私の授業では、スキーの三浦さんと、痴ほう症のおじいさんをふりこの両端に配置しました。
三浦さんのような人だけを紹介して授業を終わると、「あの人だからできるんだ」という感じを持つ人が出てきます。
そこで、三浦さんと対極に位置する痴ほう症のおじいさんを紹介し、痴ほう症になっても、読み・書き・計算によって、回復して、元気にやっていけるんだ、という可能性を示したわけです。
三浦さんの生き方が理想であるなら、痴ほう症の老人は誰にでも迫り来る現実です。でも、読み・書き・計算によって、現実を理想の姿に変えうる可能性が生まれてきたわけです。
体の健康に対して、脳の健康、というのも、ふりこの両極ではあります。
(2003.11.27)