膨大な量を書くために

 考現学を3000ページ書いたぐらいで、いばってはいけません。

 この時の旺盛な創作ぶりについて、竹澤克夫は次のように書いています。
「一月間に約三〇〇〇枚の原稿を平均して書いていった。次から次へと文章が脳裏に浮かび上がり、それは彼のペン先きから奔流(ほと)ばしった」
(『宮澤賢治物語』)    齋藤孝『天才の読み方~究極の元気術~』大和書房P.99より

 私が6年で3000ページ書いたところを、宮澤賢治は1ヶ月で書いています。
 すごい差としかいいようがありません。
 膨大な量を書けるようになるために、どうしたらいいのでしょうか。

 賢治の場合でも、膨大に書くことができたのは、そのもとに膨大な読書量があったからです。そして、豊富なインスピレーションが湧いたその時を逃さずに、一気に大量に書いてしまう。これは普通の人が仕事をする、あるいは勉強する上でも重要なコツといえます。
 自分にとって波が来る時というのがあります。そういう波が来た時には、躊躇せず大量にやり切ってしまうというのが、仕事のスケールを大きくするコツです。                    (P.107~108)

 まとめると、次のようになります。
 1.膨大な量の読書をする。
 2.波が来た時(インスピレーションが湧いた時)に、一気に大量に書く。
 私は、どちらかといえば、コツコツと続けるタイプです。
 でも、齋藤さんは、次のように書いています。

 集中して大量の仕事なり勉強なりするためには、自分の中の過剰なエネルギーを恐れないことが大切です。人には本来、だれでも過剰なエネルギーがあります。
 しかし日常的生活の中で、毎日コツコツやることに慣れ切ってしまうと、数日間でも寝食を忘れるほど集中してやるということさえできなくなってしまいます。あるいは、自分の中にそんな過剰なエネルギーがあることにさえ、気づいていないのかもしれません。(P.111)

 私の場合、毎日コツコツやることに慣れ切ってしまっているかもしれません。
 ただ、小さな波みたいなものを感じて、集中的に仕事をすることもあります。
 フラッシュで作った授業などは、その典型でないかと思っています。

(2004.1.18)