「交通事故がうなぎ登りだから、なんとかして少なくする方法はないか。」
という警視総監からの相談を堀貞一郎氏は受けました。
そこで堀さんは、交通課長のところに通って、毎日【データ】を見たのです。警視庁の【データ】ですから、交通事故調査統計という数字ばっかりです。
これを毎日毎日見ているうちに、だんだん見えてきたのは、道路を横断中の歩行者が一番被害にあっているということでした。(中略:荒井)
その次にやったことは、第3機動隊のパトカーに乗って、毎日かけずり回って事故現場を見ました。【データ】だけではダメなんですね。【データ】を見たら、今度はそれを裏づける現実をいかにして見るか。
それで事故現場をどんどん見ているうちに、横断歩道を無視し、しかも突然道路に飛び出して車にぶつかったというのが多かった。つまり「ちゃんと横断歩道を渡り、そして渡るときに合図しさえすれば事故に会わなかった」というケースが非常に多いことに気づいたのです。
和仁達也『夢現力』(ゴマブックス2004.6.10)
この後、堀氏は、次の歌を作ったのです。(そして交通事故が激減したのです。)
「手を上げて、手を上げて、横断歩道を渡ろうよ、ポン」
(2005.1.9)