ビデオを使った授業

 ビデオを使った理科授業、なかなかよかった。
 見せたのは、原田さんから借りた3年生の理科「いろいろな土」という15分ものである。
 テレビと違って、見せてる途中で一時停止できるのが、いい。
 最初、女の人が畑でとった土で、器を作ろうとしていた。
 しかし、焼き物教室の小学生は、粘土で、器を作っている。
「粘土も土なんだろうか?」と、お姉さんが頭をかしげる。
 ここで一時停止をする。
「さて、粘土は土でしょうか。土だと思う人は○、土じゃないと思う人は×と書 きなさい。」
1人以外は、全員が○にした。正解は○である。
 次に、その畑の土で作った器を焼くことになった。ここで、また一時停止。
「畑の土で作った器を焼いたらどうなったでしょうか。
 1番、かたくなった。2番、やわらかくなった。3番こなごなになった。」
 ほぼ、同じ数ずつ手があがった。
 こういう器を焼くような実験は、なかなか教室ではできない。
 正解は、こなごなになるである。
 その後、ビデオはすすみ、「小石の多い砂」と「小石の少ない土」の水の通り具合を調べる実験となった。当然、ここで一時停止する。
「小石の多い砂」が6人。
「小石の少ない土」が24人。
 少数派の意見では、「運動場の砂は小石が多くて、水を通しやすいから」というのが出た。多数派は、これといった意見が出されなかった。
 感覚的に、小石の少ない土の方が、邪魔なものがない分、水を通しやすいように思える。しかし、結果は、「小石が多い方が、水を通す」のである。
 それから、砂と土を電子顕微鏡で見ることになった。
 砂を拡大すると、宝石のような形の石が色とりどり並んでいた。
 それに対して、土は拡大しても余り変わらなかった。
 土の方が、粒の大きさが小さいのである。
 要するに、小石の多い砂は、小石と小石の間にすき間があるから、水を通しやすいのであって、粒の細かい土は、ぎっしりしてるため、水を通しにくいのである。私も、すごく勉強になってしまった。
 では、花を植えるには、小石の多い砂と、小石の少ない土と、どちらがいいだろうか。
 これはやはり土である。それは、土は水を通しにくいので、それだけ土の中に水を蓄えることができる。それを植物が飲むのである。

(1998.6.16)