ナショナルトラストとポター

 ナショナルトラストについて、調べてみました。

ザ・ナショナルトラストは、英国の環境保全団体で、美しい自然や景観を永久に守るためにその所有者となって管理をしている団体です。ピーターラビットの生みの親ベアトリクス・ポターが、湖水地方の美しい風景を守るために自分で土地を買い取り、ナショナルトラストにその維持管理を委ねた話は有名です。また、チャーチル首相が生前愛した家のそのままの姿を守るためにナショナルトラストに寄附され、現在はナショナルトラストの会員をはじめ広く一般に公開されています。(http://www.national-trust.or.jp/)

 永久に守る、というところがポイントです。
 ピーターラビットの生みの親ベアトリクス・ポターについても調べました。

ベアトリクス・ポター Beatrix Potter(1866ー1943)
 ヘレン・ベアトリクス・ポターは1866年7月6日に、ロンドン・ケンジントンで生まれました。裕福な典型的ビクトリアン・ファミリーに生まれたポターは、一人っ子の為、幼い頃より動物に囲まれ、絵を書くことが大好きな子供でした。彼女は多くの時を、ウサギやネズミ、ハリネズミなどの小動物と、子供部屋で過ごし、数えきれないほどのスケッチをしました。
 最初の転機は、シェパーズ・ブッシュで買ったピーターというウサギにインスピレーションを得た事に始まりました。子供の友人にあてた長い手紙の中で、ペン画で「ピーターラビットのお話」を添えた事で、初めてピーターラビットは形となります。ポターはその後、幾つかのピーターラビットの冒険談を、数通の手紙で付け加えています。
 数年後、ピーターラビットは完全な本の形としての構想となりますが、出版社がつかなかった為に自費出版で1901年12月に250部、白黒で出版されました。1902年2月には200部増版しています。
 そのささやかな成功を見た出版社大手のフレドリック・ワーン社が出版に興味を示し、1902年10月に8000部限定で色刷りにて一般販売されました。同年中にピーターラビットの物語は6枚の新たな挿絵を加え、5万部を完売します。
(中略:荒井)
 1905年からは英国湖水地方の丘の上の屋敷を手に入れ、許す限りの時間をそこで過ごす様になります。1909年には2番目にあたる農場を手に入れています。(中略:荒井)1943年亡くなった際には、遺言にて農園と広大な土地をナショナル・トラストに寄贈しています。(http://www.art-harvest.com/potter.html)

 ピーターラビットの最初の本が、自費出版だというのは、興味深いです。
 信託するには、託すものを所有し、託すだけに財産も持っていないと話になりません。莫大な財産を有効に使える人は、金持ちになる資格があるといってもいいのかもしれません。

(2007.1.23)