ハンセン病と差別

 甲本卓司氏の「ハンセン病」の授業を追試しました。
「もういいかい。お骨になってもまあだだよ。」から、ハンセン病患者が差別されてきた実態を学ぶ授業です。
 最初は「もういいかい。(   )になってもまあだだよ。」を示し、(  )に入る言葉を予想させて言わせました。「夜」と予想した子が多かったです。
 1907年に出された癩予防法のために、ハンセン病の患者は、人里離れた療養所に送られることになりました。療養所には、窓に鉄格子があり、納骨所があり、独房があるのです。納骨所をイメージさせるために、「病院の側にお墓があったら嫌でしょ」と言ったら、肯いていました。
 子ども達の書いた「今日学んだこと」を紹介します。

・今日はハンセン病について、勉強した。薬ができたのが、すごく前なのに、今まで差別してきた人に謝罪するのは、遅かったと思う。今はもう、ハンセン病はないから、よかったと思う。(田中)
・今日は、ハンセン病についてまなんだ。最初見た時は、こわいなあと思ったけど、治ると聞いて安心しました。それからもののけひめにもあの病気がかかわっていたこともおどろきました。(荒田)

 映画「もののけ姫」の中で、包帯だらけの人たちが出てきています。彼らがハンセン病患者なのです。
 授業の中で、インターネットから見つけたハンセン病患者の写真も見せました。
 なぜ差別されたかに迫るために、「こういう人に合った時、ちょっとでもさけてしまうかもしれない人?」と聞きました。クラスの半分以上が正直に手をあげました。こういう人を差別してしまう気持ちを受け入れつつ、差別しないように努力していくことが必要なのです。

・今日は、ハンセン病という病気の事と、差別をしてはいけない事などを学んだ。先生に、「こうゆう人が近くにいたら、さけて歩かない?」と聞かれた時、手を挙げた自分がちょっといやだった。(宮田)
・ハンセン病がなくなってよかったと思う。もしくすりがでなかったらずーっと差別されて自殺する人もでるから。差別はダメなものとメチャ思った。もしまたハンセン病の人がでたらさけずにおれるかなー?(早川)
・今日はハンセン病のことを学んだ。ハンセン病の人は昔ろうやみたいな所に入れられて、家族のところにはかえれなかったとしっておどろいた。もし、今後私がそういう人がいやがるようなびょうきの人とも、平等につきあおうとおもう。(舩倉)
・今日は、ハンセン病(癩病)の事について学んだ。最初癩病のかんじゃが連れていかれている写真を見て病気だからしかたないと思ったけど、最後は差別をしてはいけないなぁーと思った。(奥原)

 ハンセン病のことではなく、差別について考えさせたかったのです。

(2008.1.24)