中学武道必修化の是非について

 中学で武道が来年度から必修になったことは、テレビのニュースで知りました。
 それは、中学の柔道の練習で、亡くなる子がいるというニュースだったのです。

 横浜市内の中学に通っていた3年生の男子生徒は7年前、柔道部の練習で男性顧問教諭との乱取りの最中に意識を失った。急性硬膜下血腫と診断され、脳に障害が残った。柔道では頸(けい)動脈を絞めて失神させることを「落とす」という。男子生徒は7分間に2度も落とされ、その度に起こされては休む間もなく投げられ続けた。
 柔道による事故が後を絶たない。昨年度までの28年間に中学、高校で114人が亡くなっている。顧問教諭の過失を認定した民事訴訟判決の後、男子生徒の父親は「指導者は子供の命を預かっていることを自覚して医学的なことなどを学んでから教育の現場に立ってほしい」と訴えた。
 脳は鍋の中の豆腐のようなもの。外部から急激な圧力が加わると頭蓋骨(ずがいこつ)と脳との間にずれが生じ、引っ張られた静脈が破裂して出血する。これが急性硬膜下血腫だ。頭をぶつけなくても起こる。首の据わらない乳幼児が揺さぶられて死に至るのと同じで、男子生徒の場合、自分の首を支えられないほど、ふらふらな状態だった。
 どうしたら柔道事故をゼロにすることができるのか。脳神経外科医らは、脳しんとうを起こしたら練習をただちにやめ、最低1週間は練習に参加させないことや、医学的知識を持った指導者の育成などのほか、マウスガードの着用を勧めている。歯をかみ合わせて首の緊張を高めることで頭部の揺さぶりを抑えることができるという。      http://mainichi.jp/select/opinion/hasshinbako/news/20111229ddm004070022000c.html

 子どもたちが卒業し、今年度から行く中学は、男子は柔道、女子はダンスが必修になっています。
 この学校には、もともと柔道部があるので、柔道に詳しい先生はいるのでしょう。畳の引いた柔道場もありました。(その隣で、少林寺拳法をしてました。)
 私が中学のときは、確か、授業で柔道をやっていました。
 あの頃に戻したのかもしれません。
 自分の思い出としては、柔道の授業は楽しかったです。柔よく剛を制すではないですが、相手の力を使って投げるのが、結構知的だったからです。こちらが相手を軽く押すと、相手はそれ以上の力で押し返してきます。その時の相手の力を使って一本背負いするのが、結構、気持ちよかったのです。
 ただ、今の時代、必修で柔道をさせるのは、問題ではないかと思います。
 責任論的にいえば、無理矢理させて事故でもあれば、全面的に学校の責任となります。多分、学校側もそのことは分かってるので、事故のないようにいろんな配慮はするでしょう。当然のことです。
 ただそれゆえに、柔道の授業の面白さは減っていくかもしれませんね。

(2012.1.8)