今日の道徳で、小野隆行氏の「武道を授業する」を初追試しました。
来年度から、中学では武道が必修になります。武道とは何か。なぜ、今の時代に武道が必要なのかが、この授業では学べます。もうすぐ中学になる子どもたちには、ぴったりの授業でした。
この授業の中で、日本人とヨーロッパ人の柔道練習の目的の違いが面白かったです。子どもたちは、ここをよくメモしていました。
日本人の柔道稽古の目的 ヨーロッパ人の柔道練習の目的
1 体力づくり 1 スポーツ競技
2 精神修養 2 健康の維持・増進
3 スポーツ競技 3 護身術
4 健康の維持・増進 4 レクリエーション
5 ストレス解消 5 体力づくり
6 護身術 6 ストレス解消
7 レクリエーション 7 精神修養
8 美容 8 美容
日本人とヨーロッパ人の考え方の違いがよく分かります。
ヨーロッパ人は柔道をほぼスポーツと考えているのです。
よく見ると、日本人は柔道稽古で、ヨーロッパ人は柔道練習です。稽古には、精神修養的な意味あいが含まれてそうな感じがします。
このとき、子どもたちが、ここのところをメモするものですから、次の画面に進むことがなかなかできませんでした。(ここのところが、書いたものが残る板書と、写したものが次の画面では消えてしまうPowerPointの違いでしょう。)
その待ち時間の空白を埋めるために、ヨーロッパでは護身術が3位で、日本では6位です。そこに治安の違いがあることを話しました。海外では、銃を許可があれば持てる国があること。和式トイレは扉に背を向けるのに対して、洋式トイレは扉に向かって腰掛けます。そこに治安の違いがあるわけです。
ここまで書いて、そういえば、最近の和式は横向きになってることが多いです。今の学校は全て多いです。扉に背を向けるほど治安がいいとはいえなくなったのかもしれません。
森信三氏が提唱していた「腰骨を立てる」ことが、私も含めて、子どもたちの多くができていません。生活スタイルが西洋式になったことで、イスやソファーに腰掛けることが多くなり、座布団に正座することもなくなったからでしょう。
武道を必修にした意図に、礼に始まり礼に終わる精神や、姿勢をよくすること、体の使い方を覚えるなどがあるのでしょう。
日本全体の生活様式が今のままでは、なかなか効果を挙げられないようにも思えます。難しい時代になったのかもしれません。
(2012.1.16)