具体物をフルに使って、「球」のところを教えました。
最初に、教室にあるバレーボールを見せながら、次のように問いました。
『このボール、みんなから見たらどんな形に見えますか。
コンパスを使っていいですから、ノートに書きなさい。』
コンパスを使っていい、といえば、当然ながら、円を描きます。誰もが正解するわけです。さらに、円を描く練習にもなり、一石二鳥!
『○○さん、どんな形を描きましたか。』
「円。」
『円を描いた人、描こうと思った人?』
ほとんどの子が手をあげます。
『その通りです。』
次に、別のボールを取り上げました。
『では、これはどんな形に見えますか。○○さん。』
ここはいきなり指名で、次々その他のボールを見せて、円と言わせていきます。
『教科書36ページを開きなさい。3の横に、難しい漢字が書いてます。読める人?』
「きゅう。」
『その通り。賢い!』
板書 球
『念のために、○○さん、何と読みますか?』
「きゅう。」
一列、読ませます。
『音読みがキュウ(板書)です。訓読みを知ってる人?』
「たま。」(どのクラスでも2,3人は知っています。)
『(たまと板書)その通り!よく読めたね。』
この後、教科書を読ませました。
ボールのように、どこから見ても円に見える形を、球(きゅう)といいます。~大阪書籍~
一列の子を立たせてから、また別のボールを見せました。
『これは、球ですか、違いますか。』
「球です。」
『どうして球なんですか。』
「どこから見ても円に見えるから。」
3人目の子には、ラグビーボールを見せました。
『これは、球だと思う人?』全員に聞いてみます。
『球じゃないと思う人?』ほぼ全員が手をあげました。
『○○さん、なぜ球じゃないんですか。』
「円じゃないから。」
球と違うボールを見せることで、球がより意識されるわけです。
『次行きます。教科書2。球を切った切り口は、どんな形ですか。』
スッと切り替えて、教科書の問題に移ります。このテンポ良さが大切。
『球を切った切り口がどんな形になるか、ノートに言葉で書いてごらん。』
一人の子を当てます。
「円。」
『円になると、思う人?』
ほとんどが手をあげます。(ちょっと自信なげな子もいます。)
『では、やってみます。』
「え~!」と驚く子ども達。
ここからは、道具提示の技術を使っていきます。
1.まな板を教卓の上に出す。
2.包丁を袋から取り出す。(包丁は布巾でくるんでおく。)
3.袋から、グレープフルーツを取り出す。
これは、グレープフルーツを最後に取り出すのが、ポイントです。
そうすると、子ども達はボールを切るのかなぁ、と思ってビックリします。
『4こで350円でした。』
という言葉で、勉強のためにわざわざ買ってきたんだよと、さりげなく強調しておきます。
『切ってみます。』
1回目は上部を少し。「わぁ~!」と、子ども達。
『○○さん、切り口はどんな形ですか。』
「円。」
『そうだね。』
今度は、半分のところを切って、再び上のように問います。
3回目は、残った半分のをななめに切る真似をします。
『こうやって斜めに切っても、円になるかな?円になると思う人?ならないと思う人?』
ならないに手をあげる子が数人いました。
モノがあるから、すぐに実験。円になりました。
その後、教科書の説明をみんなで一斉読み。(球の中心と直けいと半けいのこと。)そして、グレープフルーツを半分にした切り口を見せながら、球の直径・半径・中心を問うて、言わせていきました。
教科書36ページの一番下は、イルカ1の問題です。
イルカ1 いろいろなボールの直けいをはかりなさい。
『今から、班で、いろいろなボールの直径をはかってもらいます。』
今回用意したボールは、①バレーボール②バスケットボール③サッカーボール④ミニソフトバレーボール⑤ミニドッジボール⑥ミニサッカーボール⑦テニスボール⑧ソフトボール⑨野球の軟球⑩ピンポン玉⑪ふわふわの小さな玉⑫ペン立ての玉⑬けん玉 など。あと、ビー玉やスーパーボールも用意すればよかったな、と思いました。
右のような表にするように、説明。 直けい
『班で机をつけたところからボールを サッカーボール cm
とりにきなさい。早い者勝ちです。』 けん玉 cm mm
ボールは、一個はかったら、別のボールと交換して、直けいを計ります。
『班の全員が記録してないと、あとで、その班は残ってやってもらいます。』
ここは、向山氏の理科指導の追試です。
このあと、私は黒板に各班が調べたものを書き込めるように、表を書き、15分後ぐらいに発表させました。同じボールなのに、調べた結果が大きく違う場合は、確かめました。(実物を使ったり、班活動をすると、時間がかかりますね。)
(1999.6.22)