事実をどう解釈し行動するか

 生きていれば、いいこともよくないことも、いろいろなことが起こります。
 起こった事実をどう受け止めて生きていくかで、その人の人生が方向付けられていくように思えます。
 哲学ナビゲーターの原田まりるさんの本にあった文章です。

私たちは、「事実」をそのまま受け取るのではなく、自分の感性で「事実がどのようなものか解釈」してから「感情」を生み出している。たとえば、財布を落としてしまったとしよう。「最悪、最悪だ……」と、どん底まで落ち込んだ気分からなかなか立ち直れない人もいれば、「まぁ、しょうがないか」とすぐに立ち直ってしまう人もいる。「財布を落としてしまった」という事実は悲しい出来事であるが、財布を落としてしまった悲しみの程度は「自身の解釈」によって違ってくるのだ。
                         原田まりる『私の体を鞭打つ言葉』(2014.11サンマーク出版)

 エジソンが、自分の発明工場が燃えたときにとった行動は、まさにエジソンの人生を方向付けています。工場が燃えるという「事実」に対して、それは最悪なことだと解釈して、悲嘆にくれることもできます。
 エジソンは、すぐに新たな工場の再建計画を工場が燃えているその時から始めています。何万回と失敗をくり返しながら電球を発明したエジソンの生き方、すなわち解釈が、この事実のあとの行動で読み取れていくのです。

(2015.1.24)