一粒の麦の選択

 選択の自由に関わる文章を見つけました。

 私は麦の一粒に似ている。麦には3種類の未来がある。一つ目は、袋に詰められ、豚小屋に投げ込まれ、豚のえさになる。2番目は、粉に挽かれ、焼かれて、パンになる。3番目は、土にまかれて芽を出し、成長して金色の穂になって、一粒の麦から幾千粒もの麦を作り出す。
私は麦の一粒に似ているが一つだけ違いがある。麦は豚のえさになるか、パンになるか、種として植えられるか、その運命を自分で選ぶことができないが、私には選択の自由がある。私は自分の人生を豚のえさにされたり、失敗や絶望の石臼に挽かれてパンにされ、他人の意思によって食べられたりはしない。

 オグ・マンディーノ『世界最強の商人』(角川文庫)にあった文章です。
 選択の自由を持つからこそ、人間であるともいえます。
 動物として本能は危険を回避するために変化を嫌います。
 それゆえ、どんな環境であっても、その環境になじんで生きてしまいます。
 選択の自由が自分にあることさえ、忘れてしまうのです。
 人間としての豊かな成長をめざすなら、選択肢を自ら見つけ出し、勇気を持って、選択しなければいけないのです。
 当然、選択の自由には、責任も伴うのですが。

(2015.2.3)