ある席で、焼鳥屋で働いている人と一緒に飲んだ。
さて、あてで焼き鳥が出された。ふだん、毎日焼き鳥を焼いてるのだから、その人は、焼き鳥は食べないだろうと、思っていた。
しかし、その人は、焼き鳥の串をおもむろにとり、箸を使って、先に一個ついてる鶏肉一切れだけはずし、食べたのである。
「焼き鳥は、食べたくないんやけど、この店の味がみたいから、ちょっとだけ食べるようにしてます。」
なるほど、さすが、プロ。そうでなくては。
前に聞いた話だが、ケーキ作りのプロは、喫茶店に入るたびに、ケーキを注文するそうだ。そして、そのケーキを一口だけ食べるそうだ。
食べる物を作るプロは、いろんな場で、他人が作る味から学ぼうとしている。(盗もうとしている、とも言える。)
では、教師はどうだろうか。
以前、前田先生が自分のプリントを印刷機で製版する前に、テストプリントを1枚して、前の人がどんなプリントを印刷したか見る、というのを思い出した。 教師もどんどん、職場の先生の教育技術をぬすむべきだ。
プロとは、それぐらいどん欲でなくてはいけない。
(1998.3.22)