絵から教科書へ

 有田和正『授業のネタ 社会2 中学年』(日本書籍)の153ページにある絵を印刷して、子ども達に配ったのが前時の社会です。
 その時は、まず絵に着色作業をさせた後、「気が付いたこと・わかったこと・思ったこと」を書かせました。
『3つ書けたら、持ってらっしゃい。』
と指示し、持ってきた子には、ほめて○をして、続きを書かせたのです。
 チャイムが鳴ったところで、その時の社会は終了です。
 その次の社会が、今日でした。
 班ごと立たせ、ノートに書いてある自分の意見を言わせていきました。
『自分のと、だいたい同じ発表が出たら、印をつけておいてください。』
 全員、一人1つずつ言わせたあと、まだ、出てない意見を発表させました。
『先生に赤で○をされたのがある人、立ちなさい。』
 この赤丸は、私がノートを見た時につけたものです。
「かやぶきの家がある。」
「水車がある。」
「沖縄の家みたいだ。」
のように、他の人が書いてないようなことに印をつけておきました。
「石垣がある。」
『どこにあるか、指さしてごらん。』
 全員に作業指示を出します。
『なんで、石垣があるんだろう。』
「洪水があるから。」
というように、赤丸つけた子の意見から、授業を発展させていったのです。
「さんかくみたいな、帽子をかぶってる。」
『これ、何っていうか知ってますか。』
と問いかけ、簑がさを教え、「かさこじぞう」の話もし、
『昔の絵だということが、わかるよね。』
と、出てない気付きをこちらで言っていったりしたのです。
 次に、教科書へつなげてみました。

 この絵と似た写真が、教科書にあります。

 この問いかけが、今の私にとっては、大収穫でした。
 今まで教科書へどうつなげていくかが、悩みの種でした。
 いろんな資料を使っても、教科書が扱えないことが多かったのです。
 これで、教科書もクリアできそうな気がします。

(2000.3.9)