今、向山先生が、「何十回でも読むべきだ」と勧めている本があります。
アルバート=ラズロ・バラバシ
『新ネットワーク思考~世界のしくみを読み解く~』(NHK出版)2002.12.20
なんばのジュンク堂書店で聞くと、在庫はなく、出版社にもない、ということでした。ダメもとで、なんばの旭屋書店にも行きました。(地下にあるので、案外知らない人も多い。)
ここに2冊ありました。(2冊とも買っておきました。)
本書はごく簡単な目的をもっている。それは読者にネットワークについて考えてもらうことだ。本書には、ネットワークはいかにして姿を現すのか、どんな姿をしているのか、どのように進化するのかが書いてある。またネットワークの視点から見たとき、自然、社会、ビジネスがどんなふうにみえるのかが示されている。ネットワークは、ウェブ上の民主主義からインターネットの脆弱さ、そして恐るべきウイルスの広がりまで、さまざまな問題を理解するための新しい枠組みなのである。(P16より)
まだ途中ですが、具体例が多くて、とても面白い本です。でも、難しくて高尚です。
(2003.2.16)
アルバート=ラズロ・バラバシ『新ネットワーク思考~世界のしくみを読み解く~』(NHK出版)で、線を引いた箇所を写していきます。一つ一つに私の気付きや感想を入れることにします。(赤・青・緑は、引いた線の色。斉藤孝氏の三色ボールペンで読む方法。赤=すごく大事、青=まあ大事、緑=おもしろい)
地上に縛り付けられ分断された当時の社会においては、ニュースやアイディアは足で運ぶしかなく、しかもその距離は大きかったからだ。(P10青)
インターネットに距離は関係ない。北海道の人も、アメリカの人も、TOSSランドを利用することができる。
パウロがその後十二年間に歩いた距離は二万キロに及んだ。しかし彼はランダムに歩き回ったわけではない。キリスト教がもっとも効率よく芽生え、広がるような、人物、場所、大きなコミュニティーを訪れたのである。神学と社会的ネットワークの両方を効果的に活用したパウロは、キリスト教の最初にして最大のセールスマンだった。
(P11一文目~三文目青、四文目緑)
広げたいなら、ランダムでは駄目なわけである。効率が大事。
本書には、ネットワークはいかにして姿を現すのか、どんな姿をしているのか、どのように進化するのかが書いてある。またネットワークの視点から見たとき、自然、社会、ビジネスがどんなふうにみえるのかが示されている。ネットワークは、ウェブ上の民主主義からインターネットの脆弱さ、そして恐るべきウイルスの広がりまで、さまざまな問題を理解するための新しい枠組みなのである。(P16赤)
説明文でいえば、問いの文に当たるところである。しかも、簡略した解も同時に示されている。
歴史を変えたのは証明そのものではなく、問題を解くためにオイラーが取った中間ステップだった。(P20青)
かっこいい。
「グラフやネットワークの構造は、この世界を理解する鍵だ」(P22青)
かっこいい言葉で分かったつもりになってはいけない。
ラベルのついていない緑のボトルに入った赤ワインは、二十五年もののヴィンテージ・ポルトワインで、赤いラベルのついたほかのワインとは比べものにならないぐらい上等だ、(P25緑)
ワインが飲みたくなってきた。
客の全員を取り込んだ目に見えない社会的ネットワークができるまでには、たった三十分しかかからないのだ。(P27青)
前述のおいしい情報があれば、人と人をつなぐきっかけが作りやすくなる。
「社会を形成するためには一人の知人を得ればよい」という驚くべき予想をしたからではない。(P33青)
お互いが一人の知人同士だったらどうなるのか。
この賞金を獲得した幸運な数学者たちは、エルデシュからもらった小切手を換金したりはしなかった。彼らの多くは、小切手を額縁に入れて飾ったのだ。証明に対するかけがえのないご褒美は、二十世紀が誇る天才による認知だった。(p40緑)
TOSS教師もしかり、向山洋一氏という天才教師の認知を誰もが誇りに思うのだろう。
『君たちはこう書く』は、ハンガリーの文学史上もっとも広く読まれた本のひとつだろう。(P42青)
いわゆるロングセラーの本なわけである。
一九二九年にカリンティがなした洞察-人と人とは、たかだか五人の知人の輪でつながれるという洞察-は、今日「六次の隔たり」として知られる概念が初めて活字となって現れたケースなのである。(P43,44赤)
私と南米のある男の子とも、ほんとに六次の隔たりでつながっているのだろうか。よく考えると信じがたい。
「この地球上に住む人はみな、たった六人の隔たりしかないの。私たちと地球上に住むほかの誰もが、たった六次の隔たりでつながっているのよ。アメリカの大統領も、ベニスのゴンドラ乗りも。……有名人だけじゃなく、誰とでもそうなの。熱帯雨林の原住民。フエゴ島人。エスキモー。この地球上の誰とでも、私たちはたった六人を介してつながっている。ここには深い意味があるわ……人は誰も、別の世界へとつながる新しいドアなのよ」(P47緑)
(2003.3.7)