成功体験できる図工指導といえば、酒井式描画指導法とキミ子方式でしょう。 酒井臣吾著『酒井式描画指導法入門』(明治図書)のまえがきには、次のような記述があります。
Ⅲ シナリオ
これはもうはっきりと「いい作品」を生むためのものです。
ですから、いい作品を作らせる必要などないと考えている人は読んでもなんにもなりません。
私はシナリオの目的を、
その子なりの最高傑作を作らせること
と決めています。
しかも、一名も残さずにクラス全員(・・)が「傑作」を作るのです。そのための筋道を示したものです。
一年に最低一回は全力投球して作品を完成させるということを私は大切にします。
以前紹介した高橋正和『危機を乗り越える学級づくりの技術』(明治図書2003.12)にも、次のような記述があります。
ふつうの授業なら集中力が続かない子でも、酒井式なら他の子どもといっしょになって描き進めることができる。欠席していた子どもが途中から描き始めてもうまくいくからである。
酒井式で描いた絵のすばらしさはもちろんだが、
子ども達が絵を描くことで成功体験を味わえること
これが何より大切なのである。
授業の中で成功体験を積み重ね、成就感を実感した子ども達は素直でかわいい。これが中学生かと思うほど、授業中に素直でかわいい表情を見せる。
また、酒井臣吾氏は、ある講座で次のように言われたそうです。
勉強もスポーツも苦手な子を図工科で伸ばすのです。
高橋先生は、この言葉を座右の銘にしています。
(2004.3.24)