ストーブ禁止と反省文

 理科室で、ストーブを1台つけています。
「ストーブにいたずらをしたら、そのクラスは、3学期の間、ストーブなしです」と、宣言していました。
 その結果、今は4クラスがストーブ禁止です。
 ストーブにコーヒーシュガーを置いたクラス、水をかけたクラス、食塩をまいたクラス、消しゴムを置いたクラスの4つです。
 あるクラスの張本人たちだけ、泣きながら謝りに来て、「どうにかつけるようにしてください」とお願いに来ました。最終的に反省文を書かせたのですが、その反省文をまず紹介します。(経過がよく分かるよう書いています。)

  反省文                      奥原 晃
 一月二十八日の四時間目の終わりに、火の付いたストーブの上にけしごむを置いてしまいました。最初に、友達五人ぐらいでストーブであたたまっていました。あたたまっていたら、小田君が「けしごむ丸焼きしようや。」と言ってきました。僕は、最初は、「そんなしょうもないこと勝手に一人でやっとけば。」とか思ってたけど、「焼いたらどうなるやろう。」と、少しずつ気になってきました。それで、「一しゅんだけやったらだいじょうぶ。」と思って、小田君のえんぴつ二本をおはしみたいにして、けしごむをつかんで、ストーブの上に置きました。そうすると、けしごむからけむりがでてきて、変なにおいもしてきたから、僕達はあせって、いそいで取りました。
 それで、けしごむを小田君に返して、帰ろうとすると先生がそれを見ていました。そして、小田君のふで箱からけしごむを取り出して、先生にわたしました。けしごむは、先生があずかることになりました。教室に帰る道、うわさはすでに多ぜいの男子に伝わっていました。教室にもどると、友達が「おまえは幼ち園児か。」「何やってんねん。」などと言われました。先生にそのことをいうと、「教室もストーブ禁止だ。」と言われました。そして、給食の前の時間に、先生と小田君と向こうの部屋に行きました。僕達がしょうもないことをしたために、自分の友達を苦しめるのはいやだったから、いろいろ考えました。給食の時間になると、教室にもどりました。さっきの友達も、半泣きだった僕を、なぐさめてくれました。そのおかげできんちょうが少しほぐれました。
 給食を食べている時、きんちょうして食べ物がのどを通らなくて、だんとつで最後でした。食べ終わって、向こうの部屋に行きました。先生と小田君がすわってました。しばらくして、小田君が給食委員会の用事で、講堂に行きました。その後、僕はみんなにあやまりに行きました。一人ずつあやまっていってたら、みんな笑って許してくれました。僕はうれしくてなみだがでそうでした。休み時間が終わって、また向こうの部屋に行きました。先生としばらく話した後に、先生は、「残された道は一つしかないだろ。」と言いました。「荒井先生にあやまるんだ。」「先生にちゃんとお願いしてみろ。そうすれば教室はつけてやる。」僕は、必死にお願いしました。その次に荒井先生にあやまりに行きました。必死にお願いしましたら、「一週間考えさせて」と言われました。
 これからは、友達がこんなしょうもないことをしようとしたら、絶対に止めて、自分はこんなことを二度としないようにして、残りの小学校生活をがんばりたいと思います。
 ストーブを付けて下さい。お願いします。
 ストーブの上にけしごむをおいて、とたのまれたのを、ふつうにひきうけて、先生達にめいわくをかけて、本当にすいませんでした。

 この二人には「反省文を書いておいで。原稿用紙3枚分。」と、要求しました。
 二人とも、原稿用紙3枚の最後の行まで書いてきました。もし2枚ちょっとだったら、「あなたの反省の気持ちはこんなものだったのか」と、突き返すつもりでした。(どうやら担任の先生が、最後まで書くよう促したようです。)
 クラスのみんなの前で、上記の作文を読み、数人の感想を聞いて、ストーブ禁止を取り消すことにしました。(残り3クラスは禁止のままです。)

(2005.2.5)