なわとび指導と激励の原則

「後ろとび20回。」
 なわとび指導です。跳べた子からすわっていきます。
 よく見ると、前で跳んでいる子たちがすわっていきます。
 この場面を見て、伴先生は次のように言い切るのです。
「これは、なわとび指導ではない。」
 昨日の第2回TOSS伴一孝ドリーム講座in淡路で、伴先生から、たくさんのことを学びました。その中の一番の収穫が、なわとび指導での激励の原則です。 並ばせない状態でのなわとび指導、放っておくと、前の方に、なわとびの得意な子が集まってきます。
「苦手な子は前の方に来て、跳びなさい。」
「先生の前で跳ぶ子は、上手になりますよ。」
 数種目跳ばせるごとに、苦手な子に前に来るように促します。苦手な子は、跳び終わるのが遅いから分かるのです。
 苦手な子が前に集まって跳ぶようになった段階で、伴先生はその子達に聞こえるように言い続けるのです。
「それでいいんだ。それでいいんだ。」
「いいひっかかり方だ。」
「休むな。休むな。ひっかかってもいいんだ。今は、貯金しているんだから。」
 苦手な子はどうしても、先生から離れて後ろの方に並ぼうとします。
「苦手な子は前の方に来なさい。」
という促しを数回、くり返すのです。
(それでも前に来ない子は、名前を呼んで前に来させます。)
「それでいい。それでいい。」
「前よりうまくなったじゃないか。」
 常に教師が励まし続けることで、苦手な子も本当にうまくなっていくそうです。
 得意な子が教師の近くに来ていて、苦手な子は後ろの方にいる、こういう状態を教師は許してはいけないのです。
 それはなわとび指導とは言えないのですから。
 自分のこれまでの指導を振り返ってみると、苦手な子が私から離れている状態を作っていました。
 なわとび指導について、伴先生は何度も教えてくれましたが、今回の激励の仕方は、初めて知りました。
 プロの指導というのは、1回2回では学び尽くせないものなのだ、ということを強く感じた講座でした。
 激励の原則。大切な原則だと分かっていながら、日々の教育実践で、その原則を適用できていないことを改めて感じさせられました。

(2005.2.6)