ジェームス・スキナーの「成功の9ステップ」を久しぶりに聴いていたら、禁煙について話している所がありました。テープ起こしから書き出してみます。
何で人はたばこを吸うかというと、吸うのが気持ちいいと思っているからです。何で吸うのをやめるのを拒否するのかというと、やめるというのは痛みをともなうのではないかと思っているからです。
ですから、パターンを破壊するためにどうしていくかというと、行動を起こすことにまず快楽を連想させないといけない。これを変えるとこんなにいいことがあるということを、その人の脳に教え込むのです。変えないとこれだけの痛みが生じますということを併せて示していきます。
多分覚えていらっしゃると思うのですが、僕が最初に何をし始めたかというと、その人は今までたばこを吸うことによってどういう損をしたのかということをリストアップしてもらいました。そうすると、脳の中に吸うことはイコール、痛みという連想をつくり始めるのです。私が吸っているからこういう痛み、こういうコストが今まで支払われているんだ。
それをいろいろな側面で引き出すのです。人間関係においてはどうでしょうか。仕事においてはどうでしょうか。それで無駄にしたお金においてはどうでしょうか。自分のエネルギー、健康の面ではどうでしょうか。私は、朝の9時から朝の2時まで仕事をしていてもまったく疲れない。あなたは午後の2時なのに疲れているというのは、あなたの毎日の生活から何を奪っているんだろうかということを聞いていると、連想がつくられ始めるのです。
そうすると、それが将来にわたってどうかということを次にやっていけば、たくさんの痛みを変革を起こさないことに結びつけないといけないのです。これはあなたのこれからの生活に何を奪うのか。あなたは本当に肺がんになって、ここにメスを入れられて電動のこぎりであなたの肋骨が切られて、開けられて肺が切除されて、それから1か月も寝返りが打てないような状態で呼吸しながら残りの一生涯を過ごすようになったら、この行動はあなたから何を奪うのか。
ほとんどこの時点で、やめたいという気持ちになっている人が多いと思うのですが、次はその逆のパターンをやるのです。
(中略:荒井)
次は、変えることに快楽を連想してもらうのです。今日、あなたはたばこをやめることによって、あなたの生活にどういう変革が起こるのでしょうか。自分の行動のパターンはいつでも一瞬に変えられるという自信を持つようになったら、それはあなたに何を与えるのか。これから自分の健康を取り戻すというのは、あなたに何を与えるのか。あなたがたばこを吸うがためにあなたに近寄らない人が近寄って友達になるというのは、あなたに何を与えてくれるのだろうか。この連想をつくっていくわけです。
5年先、10年先、30年先でどうでしょうか。そうすると、パターンが壊れ始めるのです。
まずは、その行動をすることで損をしたことをリストアップする。
次に、将来に渡って、その行動が自分から奪うものを考える。
その行動を止めることで、自分の生活にどんな変革が起こるから考える。
それが将来に渡って、どのような変革を起こすか考える。
今回、禁煙を例としていますが、他のことでもいいわけです。
例えば、パチンコをすることで考えてもいいです。
パチンコをすることで、お金が失われ、時間が奪われ、周りのお客のタバコの煙を吸うことで健康も損なわれる。でもパチンコを止めれば、残ったお金を投資として使え、空いた時間を創造的作業に使え、健康的な生活を送ることができる。
というように考えていけばいいわけです。
習慣化した行動を変えるのは、簡単ではありません。
だから、パターンの「破壊」という言葉が使われるのです。
パターンを破壊するためには、その行動によって被る不利益をより具体的にイメージできるように描写していく必要があるでしょうね。
(2005.2.10)