私が担任したクラスの子ども達には、いつも必ず見せているビデオを今のクラスでも見せました。毛利衛『宇宙で学ぶ理科実験①ふわっと快適 宇宙の生活』(宇宙開発事業団)です。
今までは、たんに感想しか書かせていませんでしたが、今回は、次のような形式を与えて書かせました。
わたし(ぼく)は、宇宙に行きた…。
理由は、□つあります。
「宇宙に行きたい」「行きたくない」のどちらを選んで書いていくわけです。
子ども達の書いたものをいくつか紹介します。
◇ 宇宙の生活(男子)
ぼくは宇宙で生活してみたい。
その理由は3つあります。
1つ目は、無重力の生活をしてみたいし、遊んでみたいから。
2つ目は、地球を宇宙から見てみたいから。
3つ目は、宇宙食を食べてみたいから。
宇宙では洗面やトイレなどが大変なことだとは知らなかった。
◇ 宇宙の生活(女子)
私は宇宙で生活してみたくないです。
その理由は4つあります。
まず、宇宙は危険だからです。
次に、水が簡単に使えないからです。
歯みがき粉を飲むなんていやです。
そして、宇宙よいしたら地球にかえりたくなると思います。
それから、宇宙食がまずそうだからです。これは、絶対にいやです。
だから、宇宙で生活はしたくないです。
もっともっと開発して地球の生活と変わらないようにしてほしいです。
◇ 宇宙の生活(女子)
私は宇宙で生活してみたい。
その理由は3つあります。
1つ目は、自分の体がうくからです。水の不便や宇宙よいもあるけど、自分の体がういているし、水とかがういているのがおもしろそうだからです。
2つ目は、宇宙には、引力がないので重いものとかるいものがないから、いろいろかわったものがありそうです。
3つ目は、体がうくからけっこうせまいところでもなん人かはいれるからです。
水の不便や血が上にあがったり、いろいろな不便があるけど、引力がないのもおもしろそうだな、と思いました。
◇ 宇宙の生活(ビデオを見て)(男子)
ぼくは、宇宙で住みたくないです。その理由は2つあります。
1つめは、スポーツができない事です。宇宙では、無重力なので、力と力の勝負ができないので、宇宙へいくのはいやになりました。
2つめは、洗面などがやりにくいということです。頭についた泡がついたままタオルでふくというのがいやです。それに、ハミガキしたあと飲み込むかタオルのような物でふくしかない、というのがいやだからです。
一度ぐらいは、体験してみたいですが、住むまではいやです。
◇ 宇宙の生活(女子)
私は宇宙で生活してみたいです。
その理由は5つあります。
1つ目は宇宙食をいっぱい食べたい。
2つ目は宇宙でういてみたい。
3つ目は宇宙でねたい。
4つ目は宇宙でごはんやジュースをうかばせて食べてみたい。
5つ目は宇宙のけしきをいっぱい見たい。
今日は、宇宙での生活のビデオを見て「行ってみたいな~。」と思いました。宇宙食やジュースをうかばせて食べたりのんだりしているのを見て「おいしそうだな~。」と思いました。友達みんなで行ってみたいです。
◇ 宇宙の生活(女子)
私は宇宙で生活してみたくないです。
その理由は4つあります。
1つめは、はみがきやおふろのことです。シャンプーをそのままふきとるなんていやだと思ったからです。はみがきは、タオルにだすと、タオルがきたなくなるし、のみこむとよけいきたなくなるような気がしたから。
2つ目は、ごはんとか、日本食じゃなくて宇宙食なのでいやだと思ったからです。
3つ目は、ねるときです。ベルトをしめているので動きにくいからです。
4つ目は、トイレです。いちをちゃんとまん中にしないといけないからです。
ジュースとかこぼしてのむときがおもしろそうだった。
◇ 宇宙の生活(女子)
私は宇宙で生活してみたくない。
その理由は5つあります。
それはまず、私が高所きょうふしょうだからです。10かいから下を見るのもこわいのに宇宙から地球を見るなんて言われたらきぜつするかもしれません。
次にお風呂にじっくりつかれないことです。1日の中でつかれをいやしてくれるお風呂につかれないなんて最悪です。
次に宇宙では基本姿勢がとれないということです。それならおちついて本も読めないし、本の紙や本がういてしまうかもしれないからです。
次に宇宙ではごはんがかたまりでしか食べられないのです。どうせ食べるのなら家庭の食卓に出るようなふっくらしたのが食べたいからです。
最後に、宇宙に行くまでの訓れんがきらいだからです。薬をのんだり回ったり、天文学も知らないと行けないからです。
だから私は宇宙で生活なんかしたくないです。
私てきに宇宙なんか大きらいです。
全員のノートをサーッと見たところ、「宇宙へ行きたくない」子の方が、多かったように思います。
便利・快適くわえて清潔な世の中になったことによって、未知なる世界へ冒険したいという思いが弱くなってるのかもしれません。
実は私も、そういう人間の一人なのです。宇宙はやっぱこわいよ。
(2001.6.23)