タバコの害を語った最初の人

 加藤純二『未成年者飲酒禁止法を作った人 根本正伝』(銀河書房)の中に、次の記述がありました。

 江戸時代初期の医師、貝原益軒はその有名な著書『養生訓』で喫煙のことを次のように述べている。

 タバコは天正・慶長年間の近年になって、他国から渡ってきた。淡婆姑(たばこ)は日本語でなく、外国語である。………煙草の性は毒である。煙を飲んで目がまわり倒れることがある。習慣になるとそれほどの害はなく、少しは益もあるといわれるが、損失が多い。病気になることもある。また火災の心配もある。習慣になると癖づき、むさぼって、ついにやめられなくなる。こうなると、することが多くなって、家事手伝いの労働を増す。最初から近づけないのがもっともよい。貧しい者はそのために出費が多くなるので、いっそう貧しくなる。

 『養生訓』にタバコのことが載っているとは思ってもみませんでした。
「タバコの害について、最初に語った、有名な日本人は誰でしょう?」
と、教師に尋ねてみるのもいいかもしれません。
 何しろ、貝原益軒は教育学者でもあるのですから。

(2005.2.19)