常在している病原体

 エイズになるとかかりやすい病気を見ていきます。

【カリニ肺炎】
病原体…ニューモシスティス・カリニ
感染経路…世界中に分布し遍在する病原体で、ヒトの肺に常在する。
症状…発熱,体重減少,疲労呼吸困難,乾性咳嗽(がいそう)(咳が出ること)
http://www.acc.go.jp/clinic/kango/karini.htmより

  ブリタニカによれば,「85%のエイズ患者が発症し,診断が確定して9か月後に死亡する」そうです。
 人の肺に常在している,というところがポイントでしょう。
 通常はならない病気なのですが,自分の免疫力が落ちると発症するわけです。

【カンジダ症】
 カンジダは口の中、消化管、腟に生息していて、普通は人体に害を及ぼしません。しかし、ある種の条件下ではカンジダは粘膜や皮膚の湿った部分に感染症を引き起こします。感染しやすい部位は、口や腟の粘膜、性器と肛門周辺、わきの下、女性の乳房の下、腹のたるみ、などです。カンジダが感染症を引き起こす条件とは、高温多湿な気候、合成繊維のきつい下着、劣悪な衛生状態、皮膚のひだに生じる、乾癬のような炎症性疾患などです。
(中略:荒井)
 免疫システムが弱っている人の場合、カンジダは血液と同様に体の組織の深部まで侵入して、命にかかわる全身性カンジダ症を引き起こします。
http://mmh.banyu.co.jp/mmhe2j/sec18/ch212/ch212c.htmlより

 カンジダ症の病原体であるカンジダも,カリニ肺炎の病原体であるカリニも,常に体の中に生息しています。
 ということは,誰もが,これらの病気にかかりうる,ということです。
 それなのに,なぜ,みんなこれらの病気にならないのか。
 それは,体の中の免疫システムのおかげです。
 でも,エイズという病気は,その免疫システムを壊してしまうのです。
 今のところ,次のような授業の流れを考えています。

①様々なウイルスによって,伝染病になる。
②伝染病の一つ「エイズ」について,知っていることを書いて,発表。
③エイズによって,どんな病気が起こるかを紹介。
④エイズは,どのように伝染するのか,クイズをする。
⑤エイズ感染経路を確認し,自分の防ぎ方を考える。
⑥エイズの発症の仕組みを確認する。(潜伏期間が長い。)
⑦若者にエイズ患者が増えていることを知らせる。(緊急性)
⑧今日学んだ事を書く。

(2005.3.7)