池谷裕二『進化しすぎた脳~中高生と語る[大脳生理学]の最前線~』(講談社2007.1.20)が面白い。
動物の脳の大きさを小さい方から並べてみると、ネズミ・ウサギ・ネコ・ヒツジ・チンパンジー・ヒトとなります。ここまでだけを見ると、脳の大きさが優秀さに関係しているように思えます。では、ヒトとイルカでは、どちらの方の脳が大きいでしょうか。
正解は、そうイルカです。
では、なぜイルカよりヒトの方が賢く進化したのでしょうか。
脳だけ見るとイルカの脳はすごく高性能だよね。でも、残念ながら、イルカには手もない。指もない。
そう、もうわかったかな。たまたますごい脳を持っていたとしても、体がヒトほど優れていなかったたために、イルカの脳は十分に使い込まれてないんだ。
ヒトには手や指があって、ものを掴んだり、ものをつくったり、料理したり、演奏したりできる。(P.82)
ウサギやネコなどの動物は、指が4本しかありません。ヒトは5本です。
もしかすると、このわずか指1本の違いが、ヒトをより優秀な動物にしたのかもしれません。さらに指6本なら、もっともっと進化したのかもしれませんね。
(2007.3.27)