「森林破壊の授業」は、柴田勇氏のパワーポイントで作ったコンテンツを使いました。此花区の研究発表の後にお願いしていただいたものです。
世界の森林が10年間で日本列島の4倍以上破壊されていることを示した後、
「森林が破壊されると、どんな困ったことが起こりますか。」をノートに5つ書かせて持ってこさせました。
・森をたんけんできなくなる。(三宅)→探検したことある人?
・動物が町とかにおりてくる(小西)→例えば、どんな動物?「熊」「鹿」「猪」他
・自然がなくなる。(浮島)→自然がなくなるとなぜ困るの?
・二酸化炭素がふえる。(上田)→難しく言うと?「CO2。」
・貴重な動植物が絶滅したりする。(高島)→例えば?「イリオモテヤマネコ」
・景色が悪くなる(奥原)
・木のかげがなくなる。(乾)→・森林浴ができない(田中)
・野生の動物のいばしょがなくなる(荒田)
・紙やえん筆が作れない。(石田) ・あれ地が増えていく(平瀬)
・体に良い空気がなくなる。(久田) ・ちきゅうおんだんか(大杉)
・酸素がへる(宮田)
・食料がなくなる(中野)→どうして?「木の実」「土壌」「動物」
・こう水や土砂くずれがおこりやすくなる。(舩倉)
・こんちゅうがすめなくなる。(小島)
・家などに木が使えなくなるので家が減る(山本)
・さばくみたいになりそう(中)→難しく言うと?「砂漠化」
柴田氏のコンテンツでは、次のような困ったことが提示されます。
(1)動物がいなくなる。→森林に世界の70%の動物が住んでいる。
(2)地下水がなくなる。→荒れ地や歩道はほとんど地下水をためない。
(3)洪水がおこる。→砂漠で雨が降ると洪水が起こる。窪地は危険。
(4)水がよごれる。→森林は雨水の有害成分を吸収してくれる。
(5)土砂崩れがおきる。→森林では2tの土、荒れ地では307tの土が流される。
(6)空気がよごれる。
「森林破壊を食い止めるには、まず原因を突き止める必要があります。なぜ、森林は破壊されていっているのでしょう。その原因をノートに書きなさい。」
列指名で言わせ、それ以外を数名発表させて、チャイムがなりました。
この続きを今日の社会ですることになります。
柴田氏のコンテンツでは、4つの原因をあげています。
①焼畑農業 ②土地開発 ③木材使用 ④紙使用
この4つを示した後、具体的な解決策を考えさせようと思っています。
より具体的にということをポイントにおくつもりです。
(2008.3.11)
森林破壊の4つの原因を示すところから授業を始めました。
「森林破壊にどのような問題があるか知り、その原因も分かりました。次は何を考えればいいですか。」
しばし沈黙の後、「解決策」とつぶやく子がいました。
「今から班で森林破壊の解決策を考えてもらいます。他の班に突っ込まれないよう、具体的な解決策を考えてください。」
黒板を区切り、班の案を書けるスペースを作っておきました。
「黒板には簡単に書いてかまいません。」
(2班)・木を植える。 ・使った紙をリサイクルする。
(3班)・紙のむだづかいをしない。 ・紙のリサイクルをする。
(4班)・無料のポケットティッシュの配布をやめる。
(5班)・新聞紙などのリサイクル
(6班)・森のかわりに雑草などを集めてもやす。
(7班)・シャープペンシルをえんぴつの代わりに使う。 ・1軒家をへらす。
(8班)・使った分だけ木を植える。 ・パソコンをノート代わりに使う。
班の意見を発表させる時は、黒板のままではなく、より詳しく言わせました。
例えば、2班の「木を植える」は、土地開発の時、木を引っこ抜いて別の場所に植える、わけです。6班の雑草を燃やすのは、肥料代わりにするためです。「一軒家をへらす」は、そこにマンションを建て、たくさんの人が住めるようにすることを指します。土地開発を少なくできるわけです。
質問の後に、班の意見を突っ込ませました。
「1軒家を減らすというけど、今1軒家に住んでる人はどうするんですか。」
「今は住んでる人はそのままで、これからの人には一軒家を造らせない。」
「どうやってやるんですか。」「土地を買い占める。」
子どもの突っ込みが終わったところで、私からも突っ込みを入れます。
「紙のむだづかいをしないようにするために、具体的にどうするんですか。」
「紙の値段をあげる。」
「そうか、ノート1冊1000円ぐらいにするわけですね。すると本も高くなるな。」
いろいろと突っ込むと楽しい授業になります。1人1人の意見に突っ込んでるのではなく、班4人に対して突っ込んでいるので、子どもの受ける抵抗も少ないわけです。
この後、森林破壊が砂漠化につながっていることを教え、それが干ばつも引き起こしていることも話しました。
「世界には、様々な問題があります。それらの問題を知り、原因を調べ、解決策を考え、そしてそれを実行していかなくてはいけません。未来の世界を守っていくのは君たちなのです。」(これが最後の社会の授業となります。)
(2008.3.12)