相互扶助の授業

 6年生でする最後の授業となりました。
「あなたにとって、一番大切なものは何ですか。ともし聞かれたら何て答えます か。ノートに書いてください。」
 全員に板書させました。

家族(高島)   ガンダムスローネドライのプラモ(中) 人の命(久田) 
自分の命(小島) 家族(荒田) 自分の命(酒井)        自分の命(小林)
家族(田中)   命(乾)   命(平瀬)  家族(浮島)   家族(神谷)   家族(高木)
家族(糸井)   地球(三宅) 家族(桂)  自分の命(宮田) 家族(川端)
かぞく(早川)  家族(阿河) 家族(中野) さんそ(大杉)  命(小西)
友達(石田)   命(山本)  自然(上田) 命(藤本)

 偶数班から板書させました。後から書く子は他の子の意見に影響される可能性もありますが、最後なので、全員の分を板書させたかったのです。
「大人の人にアンケートをとってみました。大人の人にアンケートをとってみた た結果、一番多い答えは何だと思いますか。予想してください。はい書いて。」
 ここでは「子ども」「お金」「時間」「家族」などが出されました。
「子ども」に手をあげる子が多かったのは、子ども達が親から大切にされている証拠かもしれません。(つづく)

(2008.3.14)

 インターネットで見つけたアンケートの結果を見せました。
 家族が一番大切と思う人がダントツに多いです。
 この後、何らかの不幸な出来事によって命を落としてしまうと、大切に思っている家族が困ってしまうことを話しました。
「Aさんです。もしものことが起きた時に、家族に1000万円残したいと考えました。自分が死んだら家族に1000万円残るようにしておきたい。」
「そこでAさん考えました。1000万円残すために、毎月1万円ずつためていこう。何年かかりますか。」
 しばらくして、「84年」という正解が出ました。
 もちろん、この貯金に意味はありません。84年たつと、家族もお亡くなりなっているからです。
「そこでAさんはもっと考えました。分かった。毎月1万円ためてくれる人を増やそう。Bさん1万円ためませんか。Cさん一緒に1万円ためませんか。ずっと仲間をさがしていって、これを100人集めると。100人の仲間と一緒に1万円ずつためていくんだよ。1か月でいくらたまる。」
「100万円。」
 10か月あれば、1000万円たまってしまいます。
 結構よさそうな仕組みですが、実はこのままでは不公平なのです。
「100人集まった人たちの中から、この仕組みでは不公平だという人が出てきたんですよ。どうしてでしょうか。その理由をノートに書いてもらおうと思いますが、この100人の中に、どんな人がいたらどんな理由で不公平になります。そう書いてください。」
 ここが難しかったようです。数名しか意見が出ませんでした。
「管理する人が不公平です。」
「お回りさんがいたら、早く死ぬかもしれないから不公平です。」
 この後、年齢の違いによる不公平、職業の違いによる不公平、健康状態の違いによる不公平を扱い、実際の生命保険ではそれらのことが考慮されていることを授業していきました。
 でも一番言いたいことは、生命保険は相互扶助であり、また、世の中も相互扶助で成り立っていることです。
 最後に、「今日学んだこと」を子どもたちに書いてもらいました。やはり、担任として1年間通して教えていきたいものだと思いました。

(2008.3.15)

「今日学んだこと」の紹介です。

・今日学んだ事は「一番大切なもの」です。簡単そうだけど、意外と思いつかなかったです。大人はやっぱり働いているので「時間」かなぁと思いました。私は高い所は好きだけど危険な仕事はしたくないです。この世の中は相互扶助で、みんなはあまり知らないが、みんなたすけ合っている事が大切だと思った。(久田)
・今日は、生命保険について、勉強した。今日みたのは、生命保険のことだけだったけど、実は、いろんな人が一人の人を、一人の人がいろんな人を支え合っていることがわかった。一年間社会楽しかったです。(田中)
・今は、相互扶助を習った。僕達は知らないあいだにおたがいを助けあっていた。今まで社会を通して色々なことを知った。荒井先生の授業はとても分かりやすかった。今までありがとうございました。(石田)
・今日は相互扶助ということを学んだ。一人一人が何か考えているわけじゃないのに物を買ったりすることで人を助けているときいて、うまくなりたってるなぁと思った。今日で社会は終わりだけど、楽しかった。(藤本)

 この世の中は相互扶助で成り立っている、ということが何人かの子にはきちんと伝わったようで嬉しいです。
 生きていることだけで、人は人を助けていることが一番言いたかったのです。

(2008.3.16)