言葉の指導が学習規律を育てる

 4月5日の講座に向けて、自分の考えを深めていきます。

【1)言葉の指導は子どもから数多く出させる(3年国語 言語事項)】
 学級という集団で学習することの良さをアピールすることができます。
 個人では、数個しか思いつけないことが、集団なら数個×学級の人数分出されます。でもそれだけではありません。友だちの意見に誘発されて、自分の中から別の意見も生まれてくるのです。
 もちろん、学びの面でも有効です。特に言葉の指導では、多様な例を自分の中に蓄積させることが大切です。
 今回は、全て短い言葉や文などで、1人1人の発言も短く時間をとりません。全員に発言させることで、発言への耐性を作ることも可能です。
 まずは簡単なことから、どんどん言わせ、教室で自分が意見を言うことで、みんなの学びにつながっていることを意識させていくのです。
 この発表の時に、みんなに届く音量で言わせることを指導していきます。基本は、よく聞こえる声の子をほめ、小さすぎる子を数回やり直させてほめることのくり返しでいいでしょう。
 1時間の授業が予定通り終わることよりも、子どもの学習姿勢や学習規律を育てる方に重点を置いていくのが、4月・5月です。

(2008.3.2)

 昨日の考現学で、「言葉の指導は子どもから数多く出させる(3年国語 言語事項)」で話すことを書いてて思ったことです。
 1つの授業を通して語れることはどんどん語っていこう、ということです。
 その教科・単元の授業をどう流すか、よりも、その授業を成立させる条件、思想、教育技術などを語れるだけ語るのです。条件、思想、教育技術などは、他の授業にも適用できるものだからです。

【2)物語は主人公の成長を追う(3年国語 物語文)】
 主人公の成長を追うためには、次のステップが考えられます。

① 登場人物を確認する。
② 登場人物の誰が主人公か確定する。
③ 主人公の最初と最後の違いを見つけ出す。
④ 主人公を変化させた事件が何かを考える。

 もちろん、物語には違う読み方もあります。
 でも、1つのやり方を身に付けておくことで、とりあえず物語文の授業はできるわけです。
 学校では「子どもが主人公」と言われるのは、子どもが成長することを目的としているからです。

(2008.3.20)

 31項目あるので、この春休みに書くことがなくて困ることもないでしょう。

【3)音読テストのやり方(5年国語 物語文)】
 音読テストの目的は、子どもの音読力を高めるためにします。
 それゆえ、評価をつけるために、学期に1回だけするのは、目的とはずれてしまうのです。

① 音読テストは、学期に何度もする。
② テストする範囲を限定し、練習させてからテストを受けさせる。
③ 何度か読ませ、全員を合格させる。
④ 初見の文章をスラスラ読ませることを到達点と考える。

 音読の力がつけば、初見の文章でもスラスラ読めるものです。そうしてあげるのが、教師の役目ともいえます。
 そのためには、野口芳宏氏の考えられた治療読みもやっていく必要があります。 例えば「目ずらし読み」です。音読の苦手な子は、文字を1文字1文字見ながら読みます。それゆえ、たどたどしい読みになります。
「目ずらし読み」とは、次の文字や言葉を見ながら、前の文字や言葉を読んでいく読み方です。瞬間的に記憶しながら読むのです。
 1学期中に、ある程度まで音読の力をつけたいのです。

(2008.3.21)

 何事も最初が肝心。黄金の三日間は、まさに学級・授業づくりの最初です。

【4)国語辞典・最初の指導(3年国語 国語辞典)】
 国語辞典にしろ、リコーダーにしろ、最初に指導する時は、万全の準備をすべきです。
 子どもにとって、そのことへの第一印象が初めの指導にかかっています。
 初めの指導で、「国語辞典って何だか難しい。」「リコーダーなんか、きっとうまくできないや。」と子どもに思わせてしまうのが、一番怖いのです。そうなってしまうと、それからの練習に意欲がわかなかったり、苦手意識を引きずったまま学習していくことにつながります。
 最初の指導がうまくいき、「国語辞典もっと引きたいな。」「リコーダーでいろんな曲が吹けるようになりたい。」と思わせることができれば、この後が楽です。毎日少しずつレベルをあげながら、子どもに達成感を持たせながら、指導を継続していくことができるのです。

【5)短歌の教え方・基本編(6年国語 短歌)】
 通常の教材文であれば、教師の範読で授業を始めます。でも、短歌や俳句などの短い詩では、子どもに独力で読ませることから始めるのです。そうすることで、難語句の推察や子どもによる解釈の違いの検討ができるのです。

(2008.3.23)

 3学期が今日で終わりました。4年間勤務した伝法小ともお別れとなります。

【6)要約指導(6年国語 伝記)】
 桃太郎のお話で要約をさせ、要約文の作り方を教えます。ここで終わっては駄目なのです。教えたことを使わせる場面を作らないといけません。
 算数だって、公式を教えたら、その公式を使って、別の問題を解かせます。国語であっても、1つのやり方を教えたら、そのやり方を使って、他の教材文を扱うのです。

【7)授業でビジネスセンスを鍛える(6年国語 作文)】
 生きる知恵を学校で身に付けさせることも教師の役目です。実社会に役に立つようなことも教えるべきなのです。
 人間は様々な問題にぶち当たり、その問題を解決するために知恵を使ってきました。子ども達も大人になれば、様々な問題にぶち当たるのです。その時に、いろんな解決方法があるんだ、ということを知っているか知らないかでは大違いです。最初からあきらめて、知恵を絞ろうともしないのが、一番怖いのです。

【8)作文の書かせ方(3年国語 作文)】
 作文は最初の1行が書けるかどうかが大事です。その1行を書かせるために、クラスみんなの知恵を結集させるのです。

(2008.3.24)

 ステップを踏まない指導は、崖から子どもを突き落とすようなものです。

【9)一斉にやり、それから個人でやらせる(6年国語 作文)】
 初めての課題、難しい課題をいきなり個人でやらせてはいけません。個人差が顕著に出てしまいます。できない子のフォローに時間をとられ、かえって大変なことになります。
 基本的な流れとして、まずは全体で一つの課題をやってみます。
 そうするだけで、できない子もやり方を学びます。
 それから、個人でさせるのです。
 これは作文だけでなく、算数や音楽など、あらゆる教科に必要なステップです。

【10)短文作りは授業の中で何回もさせる(6年国語 伝記)】
 1回教えただけで、その後、いつでも完璧にできるなら、こんな楽な仕事はありません。
 私たちにしても、講座で教えてもらったことを1回聴いたからといって、同じように追試できるわけではありません。自分でやってみて、あまりうまくいかず、また講座で聴いて、またやってみて、やっとうまくいく。そんなものです。
 短文づくりにしろ、グラフの読み取りにしろ、算数の公式活用にしろ、何度も何度も、授業中にさせて、確実にできるようにさせていくのです。

(2008.3.26)

 自分の講座のやり方を変えていかなければいけません。(久保先生に言われました。)以下のように改善していこうと考えています。

①感動を与える。(同じ話をまた聞きたいと先生方に思ってもらう。)
②自分を安く売らない。(だれでもできるだけでなく、高い峰も示していく。)
③自分で言ったことに対して、自分が笑わない。(悪いクセを直す。)
④サークルの延長のような講座をしない。

 今のままでは、誰でもできるような授業のやり方を紹介するだけの講師になってしまうと、久保先生は言うのです。
「荒井くんのサクセスストーリーを話さないと。」
 どういう話をすればいいのか、まだつかめていません。ただ、今のままではいけないんだという思いは、おぼろげに感じてはいたのです。
 今年度4年ぶりの担任になったことも、自分を一回り成長させるための機会ではないかと思います。
 自分が高い峰に達していないのに、サクセスストーリーは語れません。ただ、それを目指している過程は語れそうです。
群馬での白石先生の講座にも感動しましたが、帰りの新幹線の久保先生の言葉にはショックを受けました。感動よりショックの方が人を変えるかもしれません。

(2008.3.29)

 いよいよ明日が着任式。担任発表もあるので、仕事がスタートします。

【11)アウトラインに沿って書かせる(6年国語 伝記)】
 できない子を以下に学習に参加させるか、それが大事です。アウトラインを与えなくても、全員がスラスラ書けるのであれば、アウトラインは必要ありません。どう書いていいか分からない。何も考えつかない。そういう子のために、教師は様々な手を持っておくべきなのです。

【12)系統的に教える必要性(3年算数 水のかさ)】
 水のかさや重さのように、抽象度の高いものを教える時は、具体から抽象への橋渡しが必要になります。その橋渡しが難しければ、子どもは理解できずに苦手意識だけ持って、学習を終えてしまいます。
 助走をつける、小刻みなステップを与える、などの言葉もありますが、そのステップのつけ方が、系統的である必要があるのです。なぜなら、系統とは人類の学びの過程でもあるからです。小数より分数の方が歴史的に古いのも、10等分する考えより、いくつかに分けた1つと考える方が、思いつきやすいからです。【13)文章問題の扱い方(3年算数 わり算)】
 問題文を数回読ませる。これがまず大事です。教師が読んで、すぐに子どもに解かせてることがあります。それでは、子ども自身で解けるようになりません。

(2008.3.31)