第一歩にかかる覚悟の大きさ

 田中和彦『威厳の技術[上司編]』(幻冬舎2009.1)に、素晴らしい詩が紹介されていました。大分出身の教育家・後藤静香(せいこう)の「第一歩」です。

十里の旅の第一歩
百里の旅の第一歩
同じ一歩でも 覚悟がちがう
三笠山にのぼる第一歩
富士山にのぼる第一歩
同じ一歩でも 覚悟がちがう
どこまで行くつもりか
どこまでのぼるつもりか
目標が
その日その日を支配する

 目標を大きく持つことの意義が、この詩には込められています。
 目標が小さければ、最初の一歩は、それほどの覚悟は入りません。逆に、目標が大きければ、最初の一歩をとても大切に、覚悟を決めて望まなければいけません。
 これは、学級づくりにもいえます。
 どんな学級をつくりたいかの目標が高ければ、黄金の三日間とよばれる最初の一日をどうしていくかは、とてつもなく重要になるのです。
 最近、私は「100才まで授業する」というのを目標にしています。考えてみれば、低い目標です。もっと大きな目標を持たなければ、今の一日一日のすごし方がいい加減なままになってしまいます。
 例えば、「授業についての本を100冊書く」という目標を立てれば、一時間一時間の授業への覚悟が変わってくるにちがいありません。

(2009.2.9)