最後の学習参観の授業

 学習参観に何を授業するか、だいたい決めました。

①タッチパネルで、「都道府県マスター」を一人一人全員にさせる。
②6年の社会で歴史の学習が始まることを話し、日本の年号を平成から昭和・大正・明治と確認していく。
③唱歌「花」を紹介し、いつの時代か予想させ、明治の歌であることを教える。
④唱歌「赤とんぼ」を紹介し、時代を予想させ、大正の歌であることを教える。
⑤リコーダー曲「夕ぐれ」を全員で演奏させる。
⑥「おわれる」を漢字に直させる。「追われる」「負われる」のどちらかで討論。
⑦「花」と「赤とんぼ」の違いを書かせ、指名なしで発表。
⑧明治の歌が七・五調であり、大正の歌が四・五調であることを元に、いろいろな歌が明治・大正のいつに作られたのかを予想していく。
⑨歌も歴史の中で変化していくことを語り、6年の社会に期待を持たせて終わる。

 教科的には、社会・音楽・国語の合科になります。
 伴一孝氏の「大正・明治期の『歌』を知的に授業する」のコンテンツをそのまま使うのが、⑧からです。このコンテンツを追試できる素地を②~⑦までで作っているわけです。
 ⑥⑦は時間を考えて発表させていく必要がありそうです。

(2010.2.13)

 最後の学習参観・懇談会終わりました。
 電子黒板機能付き液晶テレビは、昨日から教室に運び込んでおきました。子どもたちは、朝から、興味津々で見ていました。
「今日の参観で使います。きみたちが湯里で初めて使うからね。」
 どこの学年・どこのクラスよりも1番に使うというのは、子どもたちの意欲を喚起する言葉でしょう。
 これでタッチパネルができるということは、子どもには言わないで起きました。
 給食後に、先にそうじをして休み時間。その休み時間に、セッティングしました。タッチパネルで操作できることを知って、教室にいた子は「おーっ!」と声をあげていました。
 早速、都道府県マスターを立ち上げ、1人ずつタッチさせていきました。
 授業の最初も都道府県マスターです。どこから行ってどこから戻るかを指示してから、座席順に次々とタッチさせていきました。都道府県マスターのいいところは、まちがえたり時間が遅れたら、正しいところを赤で表示してくれるところです。今、思ったのですが、参観の大人の人にもさわってもらえばよかったです。
 この後は、タッチパネルじゃなくても別にいいのです。
 平成・昭和・大正・明治の時代の流れを簡単におさえました。
 そして、「花」(♪はるのうららの すみだがわ~)を提示。
 子どもたちは知らなかったので、参観の大人に歌ってもらいました。もちろん、私も歌うのですが、参観の方もちゃんと歌ってくれたのが嬉しいです。
 ここで、「花」の曲を国語ノートの半分折りした上の段に視写させました。
 最初、黙って、子どもは視写してましたが、雰囲気が暗くなるので、連れ読みをしてから視写させました。
 その後、気づいたことを挙手指名で言わせてみると、
「七・五・七・五になってる。」
という気付きが2人目で出ました。軽く何とことかを確認してから、次の「赤とんぼ」(♪ゆうやけ こやけの あかとんぼ~)を提示。
「夕焼け?そういえば、夕ぐれの曲を練習してたよね。全員起立。」
 この後、「夕ぐれ」と「失われた歌」というリコーダー曲を全員で演奏しました。
「夕ぐれ」は三部合奏です。先週から、毎日練習してきたのです。
「夕ぐれを演奏します。いっせいの。」
というように合図する子は、それぞれの曲で決めていました。
 きちんと拍手ももらえました。
「失われた歌」は、「赤とんぼ」と全く関係ないのですが、
「大人の人は知ってても、きみたちは知らないでしょ。このままでは、失われた 歌になっちゃうよね。」 
と、こじつけたのでした。(聴きながら、この時に思いついたことです。)
 さて、「赤とんぼ」は、ノートの下の段に視写させました。
 視写させた後、その左に←を書き、直せる漢字は漢字にするように言いました。
 そして、一行ずつ指名して当て、前で、ひらがなを漢字に書き直させました。

 夕焼け 小焼けの 赤とんぼ 追われて 見たのは いつの日か

 という板書に。
「追われて」を「負われて」と書く子はいませんでした。ふだん使うことがないからでしょう。
 仕方ないので、私の方で、「負われて」を指し示し、「こっちだとも考えられませんか。」と問いかけたのです。今思えば、参観の大人に出してもらったらよかったのです。
 でも時間をかけるところではないので、背負う意味のことをさらっと語って終わりました。
 次がメイン。「花」と「赤とんぼ」の違いです。
 書かせながら話し合いの机にさせ、書けた子から発表させていきました。
 この意見については、また後日。(子どもはすごいです。)
 この後から、伴先生のコンテンツで、明治期・大正期の詩歌の見分けた方を学習していきました。
 懇談会では、全員参加、楽しくてユニーク、と評してもらえました。

(2010.2.17)

「花」と「赤とんぼ」の違いについて出された子どもたちの意見の一部を紹介する。

①花の最後の文は決めている。赤いとんぼはといかけてる。
②花は長くて音程がいっしょだけど赤とんぼは短くて音程がすこしちがう。
③花はひゆの表現があるけれど赤とんぼはない。
④花はながめてるみたいだけど、夕やけはいつみたか。
⑤花は植物だけど赤とんぼは生き物。
⑥花は動きをあらわしてるけど赤とんぼはあらわしていない。
⑦花には人が出ているけど赤とんぼには出てきていない。

 ①の問いかけてるが面白い着眼である。「いつの日か」は問いかけかどうかを検討するのが面白いのである。「いつの日だったのかな」という自分への問いかけではないかと、私は考える。
 ⑥、赤とんぼも「おわれて」だから、動きがあるともいえる。
 ⑦、赤とんぼに人は出てないのか、問い直せば、「見たのは」とあるから、そこに人はいる。では、どんな人なのか?と問いかけつつ、この詩を読み深めていくことができそうだ。
 子どもたちの力がついているように見えて、とてもうれしい。

(2010.2.19)