Cの選択肢を考えさせる

『生きる力 6年』に「手品師」という教材があります。大舞台に立つ夢を持つ手品師が、男の子との約束のために夢をあきらめる話です。
 まずは、句点交代で読ませました。
「手品師には、2つの選択がありました。」

A 大舞台に立ち夢をかなえる
B 男の子との約束を守る

「選択肢は、この2つしかないのでしょうか。Cの選択肢を考えなさい。」
 そう子どもに聞くと、「男の子を舞台に連れていく」(←でも男の子の居場所を知らないので無理)「手紙を置く」「開けるとハトが出る箱を置いておく」などが出ました。
 このような選択肢がいくつも考えられなくてはいけません。
「誰かに伝言を頼む」でもいいし、「約束を破って、あとで事情を説明する」でもいいわけです。大舞台に立ち、有名になってから、男の子を招待してもいいでしょう。
「手品師がBの選択肢を選んだのは、なぜでしょう?」
 男の子との約束だけでなく、大舞台に立つ自信がなかったとも考えられます。
 心(無意識)が手品師にブレーキをかけたお話といってもいいでしょう。

(2012.3.12)