朝に少し書き、ジムに行き、散髪に行き、サークルに行き、ようやく今(夜8時半)に、原稿が仕上がりました。
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四月の始業式からの三日間が、黄金の三日間と呼ばれるのには、理由があります。
それは、期待です。
新しい学年、新しい学級、自分も新しくなり進化成長できるのではないか、という期待です。教師は、その期待に応えるべく、新年度の実践をしていきます。
では、年度末、教師は何をすべきでしょうか。
この一年間での子どもたちの成長を確認させる。それは必要です。
そこに加えて、次年度の学年への期待をふくらませるような実践をやっていくといいのです。二年ならば、三年への期待。六年ならば中学への期待を少しふくらませてあげるのです。連続ドラマの終わりで、次回を見たくなるようにする演出と同じです。
一、歴史にふれる授業:五年編
二月、五年生最後の参観がありました。教科は社会+国語+音楽です。
最初に、年号の確認をしました。
「二〇一三年を別の言い方にすると、何になりますか。」
「平成二五年です。」
「よく知ってるね。年号と言います。」
この後、昭和・大正・明治までの年号を逆順にたどっていきました。
六年の歴史では、縄文時代から始まりますが、歴史を現代からさかのぼって教える方法もあるのです。
「明治時代に作られた歌を紹介します。」
滝廉太郎の「花」の歌の一番を提示しました。私は子どもの頃、歌った覚えがあります。今の子どもたちは知りません。
保護者の人に声をかけ、私と一緒に歌ってもらいました。
「あっ、聴いたことある。」と声があがってました。
この歌を詠んでの気付きをノートに書かせ、気付きを発表させていきました。
・題名以外ぜんぶひろがな。 ・春の季節と思う。
・同じリズムで書いてある。 ・すみだがわが関係している。
・昔は、「ひ」を「い」と読む。 ・昔の曲が今も歌われてるのがすごい。
・高音と低音の差がはげしい。 ・七五七五になっている。
「花は、何の花でしょうか。」
ひまわり・ゆり・桜・あさがお…。
この後、隅田川をグーグルマップで見て、東京に流れる川であることを確認しました。隅田川には、桜橋があります。花は桜でしょう。
次に、大正の歌を紹介しました。「赤とんぼ」です。
・五七五七になっていない。 ・夕方の歌。 ・同じリズムで書かれている。
・四文字と5文字で分かれてる。 ・秋の歌。 ・日いがい全部ひらがな。
・ふつうに生活していて、ぱっと歌おうとは思わなそうな歌。
・今とちがって英語がない。
「小焼けって何だろう。」
小焼けというのは、夕日が沈んだ後に、地平線にうっすら赤い線が残る状態を指します。
「この人は、何におわれてるの?」
一人の子どもに「おわれて」を漢字で板書させました。
追われて
参観されてる保護者の一人を当て、別の漢字を書いてもらいました。
負われて
「誰かに背負われて見た赤とんぼがいつの頃だったのかな。」ということを表現した歌だったのです。
この後、明治の歌「花」と、大正の歌「赤とんぼ」の二つの違いを考えさせ、発表させました。そして、いろんな歌を紹介しながら、それが明治の歌か大正の歌かを当てさせていったのです。
「明治の歌は七五調のリズム。大正の歌は四四五調のリズムで津鞍手います。歴史によ って、歌のリズムが変わったのです。」
この後、リコーダーと歌の発表を子どもたちがしました。
二、やってみたい実践
新しい学級を担任して、子どもたちに、30秒で自己紹介をさせることがあります。
それを学年末にやるのです。
一年間共にすごした学級ですから、誰がどんな子なのかはだいたい分かってます。その子の自己紹介に、みんなで、その子のいいところや面白いところを付け足しをさせるのです。
そうしてできた自己紹介を作文にさせ、、教師のプラスコメントも付け加えます。
それを修了式に手渡すことが、次年度へのその子への贈り物になりそうです。
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明治期と大正期の歌の実践を原稿に載せるつもりはなかったのです。
でも、サークルの例会でやってみて、その後の飲み会で、原稿の相談をしてる時に、池上先生が、
「あの歌の実践いいんじゃないですか。」
と言ってくれました。
「でも、追試ですからね。」
と答えながら、追試だけど、原稿にはぴったりなような気もしてきたのです。
人には相談してみるものです。
(2013.2.23)