負けをプラスにつなげるために

 将棋棋士:谷川浩司『集中力』(角川、平成12年12月)より。

勝ち負けは終わった時点ですでに結果であり、それを変えることはできない。勝っても、それで自信過剰になり、努力を怠れば勝ったことがマイナスになる。負けたとしても、その敗因を冷静に判断し、次につなげるべく努力していけば負けたことがプラスになる。

 今年度の学級経営がうまくいったと思い、その後の努力を怠れば、いづれ、子どもたちからそっぽを向かれてしまうかもしれません。今年度の学級経営がうまくいかなったとしても、その原因を冷静に判断し、次につなげるべく努力することができればいいのです。

才能という言葉は、あるレベルまでいってからのことで、それまでは継続的な努力によってのみ上達や向上がある。子どもにはまず、継続的な努力を可能にする集中力を養うことが大切なのだ。

 毎日、作文や日記を継続的に書かせていたとしても、それが努力になっていなければ、集中力を養うことはできないわけです。せっかく毎日やらせるのなら、それが努力につながるように、教師の方で、負荷をかけ、それを乗り越えさせることが必要なのです。「もっと丁寧に書きなさい」「もっと漢字を書きなさい」「大人が使うような言葉を使いなさい」などの声かけやほめることが必要なのです。

(2014.2.17)