報道の二次災害

 和田秀樹氏が「少年事件に思う報道の二次被害」という論考を6月11日の産経新聞朝刊に載せていました。

 現実には、大々的に少年犯罪が報じられると、ある種の精神状態にいる子どもたちには、かなり強い刺激となる。それが一万人に一人であっても、他の子どもに激しい恨みをもっている子どもやホラービデオで人殺しに関心をもってしまった子どもに、人を殺したいという衝動を高めてしまう危険性があるのだ。
 現実に、平成十年の少年のバタフライナイフによる教師殺傷事件では、その後、続けざまに同種の事件が発生したが、報道が下火になると事件はたちどころに終息した。(後略:荒井)

 今回の事件で、一番重く残ったのは、「カッターナイフで人が殺せる」というイメージです。
 子どもも大人も、カッターナイフを見るたびに、長崎の事件を思い出します。
 便利な道具が凶器として認識されてしまうことが、とても大変なことに、私には思えてしまいます。

(2004.6.12)