その時その時の指導

 聴力検査があった。
 終了後、教室で、私は子ども達に話をした。
 1つ目は、検査の間、音を立てず静かに待っていたこと。それをほめた。
 2つ目は、耳の不自由な人の話である。
『世の中には、耳の不自由な人がいます。生まれつきだったり、けがをして聞こえなくなったり、お年寄りになって聞こえなくなったりした人です。』
『耳の不自由な人は、どうやって話をすると、思いますか。』
「紙に書く」
「手話」
 これは、もう授業である。今回、やろうと計画してたわけではない。
『手話って、どうするんですか』
と、私が聞くと、自分の名前を手話で言える子がいた。早速、やってもらった。
 私は、バナナを食べる手話をした。
『問題です。』と言って、目の不自由な人と耳の不自由な人が一緒にすんでた施設で、火事があったことを話し、どちらの人が助からなかったか考えた。
 お互いの理由を言い合い、耳の不自由な人が助からなかったことを話した。
 10分ほどだが、今、この時に合った授業が、できたと思う。

(1998.4.21)