血液の流れ・明確な根拠

 Aの理由で説得力があったのは、左心房から血管が4本出ていることです。
 それゆえ、左心房から全身に血液が送られるように思えるのです。
 また、大きい左心室から小さい左心房に流れそうな気もします。
 Bの方の根拠は、上から下へ血液が流れる、というものでした。
 3クラス授業しても、弁の存在に気が付いた子はいませんでした。
 そこで、私の方から、弁の部分を指摘し、ヒントとしました。(それで、ようやくBが正解と気付ける子が出たのでした。)
「血液には、酸素の多い血液と、二酸化炭素が多い血液があります。右と左、ど ちらが酸素が多いのでしょうか。」
右か左かですから、これも二者択一です。
 正解は、左の左心室・左心房の方が、酸素の多い血液なのです。
 これも明確な根拠が絵の中に隠されています。
 それは、心臓の壁の厚さです。左心室の壁が右心室の壁よりも厚いのです。
 4倍違うので、最初の気付きで、それを見つけている子もいます。
 酸素を全身に送るために、壁が厚くなっているわけです。
 子どもの今の力では、弁や壁の厚さと関連づけて、理由づけることはできませんでした。だからこそ、いい学びだったのです。

(2005.6.9)