入学式で1年生が退場した後、保護者は講堂に残り、担任の諸注意を聞きます。
これが約40分ぐらいあります。
この間、新1年生は自分の教室で、児童看護に当たっている先生と一緒に待つわけです。看護の先生は、絵本や紙芝居、歌や手遊びなどをして、時間つぶしをするのです。
私はビデオ記録担当です。1年が退場した後、ビデオ機器を片づけ、自分のお気に入り絵本を持って、1年生の教室に向かいました。
私は看護担当ではないですが、新任の3人は児童看護になっています。
低学年の子を引きつけながら絵本を読むにはどうしたらいいか、ということを演示しようと思ったのです。
さとうわきこ『ねえ おきて』という絵本を使いました。
絵本をたんに読むのではなく、子どもに対応しながら、進めます。
「今度は起きると思う人?」
「いや、まだ起きないと思う人?」
寝ているネコくんは、イヌくんが紙袋を割っても、シンバルや大太鼓をたたいても、大砲を鳴らしても起きないのです。起きないという答えが続くので、私はわざと間違えた方を選びます。
「これは、絶対起きるよ。」
絵本を使って授業もしながら、時々、担任の先生の名前を確かめます。
「ところで、担任の先生の名前なんだった?」
「○○先生!」
「賢いなー。じゃあ、どうやったらネコくんが起きるか、分かるかもね。」
教師がわざと間違いを言ったり、じらしてなかなか見せなかったりするのは、低学年では効果的なのです。
2つのクラスを回ったのですが、2つめのクラスは、空気が濁っていました。
前で、ある先生が紙芝居を読んでいるのですが、子どもたちはつまらなそうにしています。
ゾウが出てくるお話でした。
その後を受けて、私が前に出ました。
「今のお話に出てきたのって、キリンだったよね。」
「ちがう、ゾウさん。」
「えっ、タヌキさんでしょ。」
「ちがう、ゾウさん。」
前の紙芝居を受けて、子どもの中に入っていきます。
そして、「ハイで拍手」という手遊びをしながら、子どもに動作をさせ、笑わせ、そして、上記の絵本を読んだのでした。
(2007.4.6)